【ヤフー 成果報酬型サイト掲載不可】 ASPは概ね歓迎/アフィリエイトのイメージ懸念

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ヤフーが策定した「広告品質のダイヤモンド」

ヤフーが策定した「広告品質のダイヤモンド」

 ヤフーは6月3日から、アフィリエイトサイトなどをはじめとした成果報酬型サイトの広告掲載を原則認めない措置に踏み切った。ヤフーが、ユーザーに広告をクリックさせることを目的としたサイトかどうかを判断。成果報酬型サイトと判断したものに関しては、ヤフーが提供するすべてのサービスおよび提携パートナー上での広告掲載をできなくした。アフィリエイト・サービス・プロバイダー(ASP)事業者からはヤフーの措置について、問題のある広告を出稿するアフィリエイターが減少するため、ヤフーの対応を歓迎する声が上がっている。

■以前から規制強化

 ヤフーは以前から、広告品質の向上に向けた取り組みを強化している。2018年10月には、アドフラウド(不正広告)撲滅に向けたガイドラインの厳格化を発表。広告運営者に対し「メディアとしての知名度や実績があること」「サイト内の情報に信頼性があること」などをガイドラインの条件として加えた。これを受け19年4月、5900件の広告配信を停止している。
 今年5月9日には、ヤフー独自の広告規定「広告品質のダイヤモンド」を発表(図参照)。同27日には、広告品質向上の取り組みについて、報道陣に対し発表会を行った。
 「広告品質に関する取り組みが、日本は海外に比べ遅れている。グローバルスタンダードを参考に、ヤフーが国内で先行して『独自のスタンダード』を発信し、リーダーシップを取っていきたい」(ヤフー・マーケティングソリューションズ統括本部事業推進本部ポリシー室・中村茜室長)。


■業界をクリーンに

 ヤフーが成果報酬型サイトの広告掲載を認めない措置に対してアドウェイズは、「一部の薬機法や著作権を無視した事業者が一掃され、ASP業界そのものがクリーンな環境になる」(ビジネスデベロップメントグループ・齋藤弘樹本部長)との見解を示した。
 インタースペースは「アフィリエイトのビジネスモデルは単純で参入障壁も低い。ルールが明確になることで、後発で入ってきたやんちゃな事業者などは淘汰されていくはず」(室山一茂執行役員パフォーマンスマーケティング事業部長)と予測する。まともに運営しているASP事業者や良質なアフィリエイターからすれば、ヤフーの措置による影響は、追い風となりそうだ。


■通販系には影響

 ASP事業者にとっては追い風となりそうな今回の措置だが、一部の事業者には影響が生じる可能性がある。

(続きは、「日本ネット経済新聞」6月6日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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