〈JETRO〉 売れる商品を東南アジアへ/拡大するEC市場進出のきっかけに

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「ジャパンモール」が設置される「レッドマート」

「ジャパンモール」が設置される「レッドマート」

 日本貿易振興機構(JETRO)は4月13日、東南アジアの主要ECサイトを通じて、日本製品を販売する「ジャパンモール」の事業を開始すると発表した。現地の大規模ECサイトが商品を選定して買い取り、サイト内に設置した「ジャパンモール」で直販するというビジネスモデルだ。出品する日本企業は、越境ECに比べて発送や運営にかかるコストを大幅に軽減できる。JETROによると、複数の大規模な現地ECサイトに、日本製品を直接メーカーから買い取って販売するよう促す取り組みは、初だという。当初はシンガポールとインドネシアの有力ECサイトに「ジャパンモール」を設置する。経済産業省では、25年には、シンガポールのEC市場は現在の5倍に拡大すると試算。インドネシアは同35倍に成長するとみている。JETROの新たな取り組みは、日本の中小メーカーにとって、成長著しい東南アジアのEC市場に進出する大きなチャンスとなりそうだ。

■拡大著しい東南アジアEC市場

 経産省では、15年3月時点で約1000億円だったシンガポールのEC市場規模が、25年には約5400億円に到達すると予測している。
 シンガポールのEC市場は、東南アジアECモール最大手のLAZADA(ラザダ)を始めとした11の大規模ECモールが群雄割拠している。これまでも、こうしたECモールに出店する日本企業は多数あったが、現地のECモールにはすでに中国や韓国の安価な商品が流通しているため、送料などの影響で単価が高くなりがちな日本製品の販売は伸び悩む傾向があったという。
 インドネシアもEC市場の急激な成長が見込まれている。現在のEC市場規模は小売全体の1%程度だが、経産省の試算では25年に4兆6000億円規模にまで達するとみられている。東南アジア全体のEC市場の50%を占めるまでに成長すると見込まれているのだ。


■展開国・サイトは順次拡大

 成長する東南アジアEC市場に参入する上で大きな力となりそうなのが、JETROが始める「ジャパンモール」事業だ。JETROは現地ECサイトと提携を結び、日本製品を扱う「ジャパンモール」をサイト内に開設してもらう。現地ECサイトは、現地に進出したい日本のメーカーの商品から売れ筋を選定し、買い取り、ECサイトで直販する。
 シンガポールのジャパンモールは、直販型のECサイト「RedMart(レッドマート)」に設置される。「レッドマート」の会員は17年3月時点で約20万人。日本でいうところのネットスーパーのような位置付けだ。

(続きは、「日本ネット経済新聞」4月26日・5月3日合併号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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