NTTドコモ/「ミールキット」のEC参入/年内に新ブランド立上げ

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 オイシックスドット大地と業務資本提携したNTTドコモは年内にも、オイシックスグループの食材とレシピをセットにした「ミールキット」のオリジナルブランドを立ち上げる。「ミールキット」は「Oisix」「大地を守る会」「らでぃっしゅぼーや」がそれぞれ展開しているほか、セブン&アイなど大手企業の参入もあり、競争の激しい「レッドオーシャン」の状況となっている。らでぃっしゅぼーやを売却しつつ、食ビジネスの領域を拡大を模索するNTTドコモと手を組んだオイシックスドット大地の狙いはどこにあるのか探る。

■大義は「オーガニック市場の拡大」
 「日本のオーガニック市場を変えたいというのが大きなテーマ」
 料理教室を展開するABCクッキングスタジオの社長を経て、現在はNTTドコモのライフサポートビジネス推進部で食文化事業を統括する櫻井稚子部長は、らでぃっしゅぼーやの売却の目的についてこう話す。櫻井氏は、数社でオーガニック市場を奪い合うのではなく、「Oisix」「大地を守る会」といった競合ブランドと手を組んで消費者の潜在需要を掘り起こし、スピード感を持って市場を拡大していく考えを説明した。
 一方で、らでぃっしゅぼーやがここ数年、業績が振るわなかったことも否定はしない。12年8月にNTTドコモは、らでぃっしゅぼーやを買収。これに先立つNTTドコモの発表会では「日々の生活の根幹である食品は、新たなコマース事業を展開する上で重要な商材であり、日常的に活用されるモバイルとの親和性も高い」と説明していた。
 らでぃっしゅぼーやの買収から5期目にあたる16年2月期、最終損失13億円の赤字を計上。18年2月期も通期で最終赤字となる見通しだ。「どんな企業でも経営課題を抱えている」(櫻井氏)と業績悪化だけが売却の理由ではないと説明するが、ドコモグループのシナジーを発揮できたとは言い難く、業界関係者は〝手放した〟とみる向きが強い。
 こうした経緯から、M&A戦略で拡大を進めるオイシックスドット大地の高島宏平社長と思惑が一致した格好だ。
■年内に「ミールキット」の新ブランド

 ただ、NTTドコモは食の事業領域を手放したわけではなく、オイシックスドット大地と組んで年内に「ミールキット」の新ブランドを立ち上げる。食材の調達をオイシックスドット大地が担い、ECサイトを含めた販売をNTTドコモが行う。

(続きは、「日本ネット経済新聞」3月1日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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