【変わる成長の在り方】 EC手法から組織的成長へ/販路拡大や原価高騰で編成進む(2026年5月21日号)

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 EC企業の成長の在り方が、手法から組織起点に変わりつつあるようだ。従来のECチャネルから小売店を含めたリテール領域に拡大し、実店舗の展開を積極的に行う販路拡大が目立つ。企業やブランドの成長を目的に、EC単体での成長戦略から店頭向けの卸売りの併用も進む。原材料の高騰をはじめとする価格高騰が販売戦略の変更に拍車をかける。ECだけの成長が見通せない企業でも組織型の成長戦略にシフトが進んでいる。

■最優先は利益確保

 組織の改編や新部署の設立は企業ごとで理由は異なる。各社に取材すると「購買行動の変化への対応」「利益確保」「ブランドの成長」「売り上げ拡大」などの目的が挙がった。
 20年から拡大した新型コロナ、原材料高騰による値上げラッシュ、直近のホルムズ海峡の影響など、国内外の情勢はEC業界にとっても大きなリスク要因になっている。今後の「備え」を意識した経営手腕が問われる時代にもなっている。
 こうした背景などを踏まえて、コスト競争が激しいECだけにとらわれず、売り上げやブランドの成長を見据えた流通チャネルの拡大が進み、これと並行して組織体系の見直しも進んでいる。


■EC起点の支社制

 包装や店舗用品のシモジマは、営業販売部門、店舗販売部門、通信販売(EC)部門の三つの販売チャネルを起点とした「シモジマ型オムニチャネル」で全体の成長を目指している。
 5月13日に発表した2030年までの中期経営計画では、通信販売(EC)部門の売上高を直近の約1・2倍にあたる73億円に拡大させる計画だ。
 「シモジマ型オムニチャネル」を戦略のベースに、通販部門はプラットフォーム基盤の拡大と海外進出を戦略テーマに掲げた。この戦略を用いて、「シモジマモール」では、参加企業数を549社(26年3月末時点)から1000社に拡大。「シモジマオンラインショップ」の商品点数も172万SKUから300万SKU、「オムニチャネル会員」を101万人から130万会員にそれぞれ拡大させていく計画を発表した。
 越境ECにも挑戦し海外展開の足がかりを作っていくという。「シモジマオンラインショップ」で世界各国からの受注体制を構築し、現地のECモールへの出店も進めていくとしている。
 これらの施策は、

(続きは、「日本ネット経済新聞」5月21日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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