【寝具のOMO戦略】 ”体験””接客”磨く/リアル送客がEC成長に寄与(2025年10月16日号)

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べネクス ブランドマネジメント部PRチーム・下山祐佳氏

べネクス ブランドマネジメント部PRチーム・下山祐佳氏

 ベッドやナイトウエアなど寝具を販売するD2C企業や大手企業は、ECサイトとリアル店舗の相互利用を促すOMO(ネットとリアルの融合)施策を強化している。寝具D2CのKoala Sleep Japan(コアラスリープジャパン)は今年7月、国内初の常設店を開設した。リカバリーウエアのべネクスや、寝具大手の西川はECとリアルの顧客データの統合を推進している。寝具大手の昭和西川はECとリアル店舗の相互利用を促すために、店頭接客などを強化している。高単価で体験が重視される寝具販売企業のOMOの取り組みに迫る。

 国内外で成長を続ける寝具D2CのKoala Sleep Japan(本社東京都、ルスラン・プソノク代表)は今年7月、日本唯一の常設店として「コアラ青山ショールーム」を開設した。実際に寝具の寝心地を試せるだけではなく、カフェを併設したり、インテリアのシリーズも並べたりと、立ち寄りやすく、商品に触れてもらいやすい工夫が凝らされている。
 これまでポップアップストアを展開し、購入をためらうユーザーに商品を体験する機会を提供してきた。常設店の開設により、より深く自社製品への理解を促したい考えだ。


■データ戦略部を新設
 
 リカバリーウエアを製造販売するべネクス(本社神奈川県、中村太一代表)の25年7月期の売上高は、EC・実店舗の双方とも前期比約1.5倍になったという。
 コロナ禍にECを強化し、コロナ禍が明けてからは主にリアル店舗の展開に注力したという。
 「店舗スタッフは睡眠の枠に留まらず、休養の専門家である休養士の資格を取得し、商品提案の引き出しを増やしたり、説得力を持たせたりしている」(ブランドマネジメント部PRチーム 下山祐佳氏)という。
 営業部門と連携して施策立案・実行を担う「データ戦略部」を新設した。今後はオンラインとオフラインでの顧客理解を深め、OMO施策をさらに強化する予定だという。


■会員IDを統合

 寝具大手の西川(本社東京都、西川康行CEO)は、18年3月にECサイトを開設した。直営店は直近1年間では約10店舗を新設している。

(続きは、「日本ネット経済新聞」10月16日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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