【インテリアEC最新動向】EC専業、OMOで二極化進む/ロールアップモデルの動きも(2025年9月4日号)

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 インテリアEC業界では、EC専業と店舗も手掛けるOMO展開の二極化が進んでいる。OMO展開は店舗での接客と商品体験のほか、ECと店舗の会員情報を統合することによる施策で、売り上げアップやLTV向上につなげているケースが増えた。EC専業はローコストオペレーションを武器に、商品開発とマーケティング戦略を強めて事業拡大に取り組む。他社のブランドを取り込み成長につなげるロールアップモデルの展開もあり、各社の成長戦略が多様化している。

■ライブコマースが人気

 ニトリホールディングスの通販・EC施策は、ライブコマースを起点としているようだ。直近の業績(25年3月期)では国内通販売上高が前期比9.5%増の954億円と伸長した。アプリ施策や商品数拡充も増収要因に挙げている。
 ライブコマースの視聴者数が増加し、継続的な取り組みがECのコンバージョン向上につながったという。また、ライブコマースを見て、近隣の店舗に足を運ぶ流れも捉えている。
 家具・インテリアのEC専業企業、タンスのゲン(本社福岡県)は25年7月期の売上高が前期比14%増381億円で、2年連続の2桁成長となっている。
 商品開発数が成長を支えている。昨年は1500品目超を新たに商品発表し、一昨年も約1000品目を投じている。
 こうした新商品がSNSで注目を集めるケースも増え、新商品の売り上げが全体の2割強を占めるようになった。商品開発は引き続き強化して、今期の売上高は前期比10%増の400億円強を計画している。
 インテリア用品の通販サイト「ネルコンシェルジュnerco」などを運営するインテリアオフィスワン(本社埼玉県)は、今期(25年9月期)の売上高が前期比10%増の約36億円となる見通し。営業利益も同30%増を見込む。
 幅広い商品展開から方針転換し、カテゴリーを絞ったセールスを強化している。今後はアプリの開発に着手する予定で、CRMも強化していく予定だ。


■売らないショールーム

 ニトリホールディングスのように、OMOで成果を上げる企業もある。

(続きは、「日本ネット経済新聞」9月4日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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