【ダイエットコーヒーEC】 参入企業激増で競争熾烈に/「広告ではない発信」が成長の鍵に(2023年3月2日号)

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野村不動産ライフ&スポーツの「プロテインコーヒー」

野村不動産ライフ&スポーツの「プロテインコーヒー」

 ダイエットコーヒーのEC市場がレッドオーシャンになりつつある。「毎日飲むコーヒーを変えるだけ」という手軽さから、人気を博していたダイエットコーヒーだが、ここ数年は同市場への新規参入企業が急増。同市場の競合企業分析を長年行ってきた企業によれば、販売事業者の数は、この6年で約10倍にまで膨れ上がったという。市場は拡大しているものの、参入企業が増える一方であるため、個々の企業の業績は、必ずしも右肩上がりになっていない。販売各社は、商品による差別化だけでなく、CRMによる、顧客の囲い込みにも注力している。「広告ではない発信」を、いかに効果的に行うかが、飽和する市場において、成長の鍵の一つになっているようだ。

■顧客とのやり取りで信頼を

 ダイエットコーヒーのECサイトを運営しつつ、「ひとりEC運営」に関するセミナーなども行うモノリス(本社京都府)の三浦卓也社長はダイエットコーヒーのEC市場について、「ここ2~3年で、新規参入が急増した」と話す。「ダイエットコーヒーを販売するEC事業者は、把握しているだけでも50社を超えている。当社が販売開始した16年頃と比べると、10倍近い販売事業者数になっている」ということだ。
 「ここ数年で、『バター』『チャコール』『MCT』といったコーヒーが次々とヒットした。そういったブームに合わせて、類似商品による参入が急増した。当社としても次の一手を考えている」(同)と話す。
 同社では22年11月、オンラインの「ダイエット講座」の開催を始めた。「ダイエットコーヒーが飽和している今、重要なのは実際に痩せる体験だと考えた。商品を買ったものの、食事や生活習慣の問題から、痩せない人も多い。そうなると定期の解約につながってしまう」(同)と話す。
 「商品が多く、どの商品を信用していいか分からないからこそ、顧客と向き合って信頼関係を築くことが大切になってくるはずだ」(同)とも話している。
 ECを中心に健康食品などを販売するハーバルアイ(本社福岡県)が販売するダイエットコーヒー「SLATTO COFFEE(スラットコーヒー)」は、20年頃が売り上げのピークだったという。「当時は売り上げが大きく伸びた。以降は競合の商品が増えたこともあり、難しいジャンルになった」(グローアップ事業部・松本千穂氏)と話す。
 同社では、本社採用のオペレーターによる、自社コールセンターの運営を行っている。日々オペレーターを教育し、対応力を高めているという。「コールセンターを外注すると、商品の知識や用途など、伝えきれない部分もある。顧客の意見を聞きやすいというメリットもある」(同)と話す。


■1年で100回以上試作

 スポーツジム「メガロス」の運営などを行う野村不動産ライフ&スポーツ(本社東京都)は22年4月、「プロテインコーヒー」を発売した。水やお湯に溶かすだけで飲むことができ、プロテインよりも気軽に摂取できる点が特徴だという。

(続きは、「日本ネット経済新聞」3月2日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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