〈TikTok広告〉 FB、LINEに並ぶ広告媒体に/投稿動画の広告活用機能も (2022年2月3日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む
一般の投稿者の動画を広告に活用する機能も

一般の投稿者の動画を広告に活用する機能も

 短尺動画プラットフォーム「TikTok(ティックトック)」が、新たな広告媒体として成長を遂げている。広告代理店のマージェリック(本社東京都)によると、スキンケアやダイエットサプリといった商材を扱うECの広告主が増えているという。顧客の獲得ボリュームや顧客獲得単価は、LINEやフェイスブック(FB)と比べてもそん色ないという。コロナ禍で幅広い世代のユーザーを獲得していることが、広告媒体として価値を高めているようだ。「『TikTok』経由の新規顧客の獲得件数はまだ多くないが、今後に期待したい」といった声も聞かれる。「TikTok」は21年7月、一般の投稿者の動画を広告として活用できる機能の提供を開始した。動画を制作するノウハウのない企業にとっても、挑戦しやすい媒体になってきているようだ。

■月間ユーザーは1700万人

 「TikTok」は、15秒から1分程度の短い動画を作成・投稿できる動画プラットフォームだ。中国のByteDance(バイトダンス)社が運営している。国内では18年ごろから、流行りの音楽に合わせて女子中高生がダンスをする動画などがよく投稿される動画プラットフォームとして、注目されるようになった。
 アプリに関する市場データなどを提供するアップアニー(本社米サンフランシスコ)が行った調査によると、21年8月時点の、「TikTok」の、国内の16歳以上の月間アクティブユーザー数は、約1700万人に上っているという。現在では、3分という比較的長尺な動画も投稿できるようになっており、動画のクリエーターや内容の幅が広がっているという。
 マージェリックによると、「TikTok」広告は、商材さえマッチすれば、獲得ボリュームや獲得単価が、LINE広告やフェイスブック広告と比べても、そん色なくなってきているという。特に、スキンケア化粧品やダイエットサプリといった商材は、獲得効率が良いという。「若いユーザーが比較的に多いため、若者向けに美容を訴求する商品については、新規顧客を効率よく獲得できているようだ」(マージェリック嶋泰宣社長)と話す。
 マージェリックが広告運用した事例では、コンタクトレンズの動画広告を「TikTok」で配信したところ、顧客1件当たり1700~2000円で獲得できたという。そのうち、70~80%が新規顧客だったとしている。「新規の獲得という意味では、他の媒体と比べても効果的なのではないか」(同)と話している。
 TikTok広告は、広告の審査が厳しい点も特徴の一つだという。広告のクリエーティブの内容だけでなく、遷移先のLPの表記にまでチェックが入るという。スリムな女性のからだの写真が入っているなど、景品表示法に抵触するとみられる広告はほとんど審査を通らないという。


■22年から運用開始続々

 健康食品や化粧品を扱うEC・D2Cの企業数社に取材したところ、22年に入ってから初めて、「TikTok」広告の運用を開始したという企業が複数あることが分かった。

(続きは、「日本ネット経済新聞」2月3日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ