【多角化するコールセンター企業の通販支援 <注目のサービス>】 <フィールドサポート> ギグワークスアドバリュー フィールドソリューション事業本部 越智進也本部長 執行役員兼事業推進本部 梅木勇樹本部長/「三河屋のサブちゃんになりたい」(2023年8月10日・17日夏季特大号)

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梅木勇樹氏

梅木勇樹氏

 ギグワークスのグループ会社でコールセンター事業を展開するギグワークスアドバリュー(本社東京都、福田和男社長)は、訪問お手伝いサービスや企業のオフライン展開支援など、フィールドサポート(現場支援)に強みを持つ。22年に買収した老舗通販企業である日本直販の「訪問お手伝いサービス」の運営もギグワークスアドバリューが行っている。今後は日本直販だけでなく、さらに多くの企業にサービスを提供していきたい考えだ。フィールドソリューション事業本部の越智進也本部長は、「サービスを進化させ、ゆくゆくはサザエさんに出てくる三河屋のサブちゃんのような、困ったことがあったら、とりあえずギグワークスアドバリューに電話しようと思ってもらえる企業になりたい」と話す。越智本部長と、梅木勇樹執行役員兼事業推進本部本部長に、フィールドサポートの詳細やこれから仕掛けていくことなどを聞いた。

■ポップアップ出店を支援

 ─貴社が提供するフィールドサポートについて伺いたい。
 梅木 当社が提供する代表的なフィールドサポートは主に2つある。一つ目は、通販企業やメーカーなどのオフライン展開を支援していることだ。新型コロナウイルスが5類に移行されたこともあり、企業はポップアップショップの展開などに注力している。
 だが、企業によっては、「どこの地域に出店すればいいのか」「商業施設はどこがいいのか」「必要な設備は何なのか」など、分からないことも多い。そこの支援を当社が行っている。これから、ますますオフライン展開は加速する。もしどこに進出すればいいか分からない企業にとっては、お薦めのサービスとなっている。


■購入者の自宅に訪問

 ─もう一つのフィールドサポートについて聞きたい。
 越智 購入者宅に伺い、商品の使い方の説明や、設置・組み立てなどをサポートしている。実際に業務を行っている日本直販を例に挙げさせてもらうが、日本直販では、高級椅子、ソファー、スマートウォッチ、補聴器などがサービスの対象になっている。
 日本直販の顧客は高齢者が多く、ソファーなどの家具を購入しても、自分で好きな場所に配置することが難しい。二階に置きたいのに、一階の玄関までしか移動できなかったこともある。それを二階に運んだり、顧客の好みの場所に設置したりする支援を提供している。
 梅木 補聴器も使い方が難しい。補聴器を通販で購入した人の中には、「ハウリングしてしまう」「よく聞こえない」などの理由で返品する人が多い。
 だが、当社と日本直販では、商品を購入した顧客の自宅に伺って、「こういう風に使用すればハウリングが起きないんですよ」「このように装着すると耳から落ちにくいんですよ」などと伝えることができる。その結果、顧客の満足度も高まり、商品の返品率も低くなっている。
 ─「訪問お手伝いサービス」の利用順序は。
 梅木 日本直販もそれ以外の企業も手順は大きく変わらない。利用者はまず、「訪問お手伝いサービス」付きの商品を購入する。その後、当社から訪問調整の電話をかける。そして当日、スタッフが伺い対応するという流れだ。このスタッフもギグワーカーになるため、比較的全国どこでも柔軟に対応できるのが特徴だ。
 越智 現時点では、購入した商品の設置や使い方を現地に伺って説明しているが、今後はオンラインを組み合わせることも考えている。商材や購入者、クライアント企業によっては、必ずしも現地に伺うことが必須ではないかもしれない。そのようなときはオンラインでつないで、使用方法などを説明することで、さらに広いエリアの顧客の課題を解決できるはずだ。
 ─現地に伺うギグワーカーの教育方法は。
 越智 「LMS(ラーニングマネジメントシステム)」という動画を使った教育システムを取り入れている。「eラーニング」をベースに、受講者がログインして学習する受講機能、管理者が成績管理を行う管理機能を設けている。全ての動画での研修を修了したら、認定資格を付与している。
 だが、これも今後はここまでする必要もないと考えている。ギグワーカーが現地に訪れ、何をすべきか、どのように組み立てればいいかなどの手順を全てスマホで確認し、きちんと漏れなく対応できる仕組み作りを考えている。特別な研修や資格がなくても、しっかりと組み立てなどをサポートできるようにすることで、より多くの顧客を課題解決に導けると思う。
 ─全ての商品ジャンルに対応できるのか。
 越智 対応できる可能性は高いが、家具などは、それこそSKUが非常に多い。その全ての商品に対応できるかといったら、すぐには難しいだろう。それこそ現場に訪れたギグワーカーの能力次第になってしまう。
 梅木 これを防ぐために、ギグワーカーに頼らない仕組み作りが非常に大事になってくる。企業からの相談・条件次第で、うまく解決できる案を考えていきたい。

越智進也氏

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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