【化粧品サロンのニューノーマル】 〈インタビュー〉ヤマノビューティメイトグループ 田端晴美ビューティーセンター/SNS活用で休眠顧客の復活に成功

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田端晴美BCとグループのスタッフ

田端晴美BCとグループのスタッフ

 化粧品のサロン販売を手掛けるヤマノビューティメイトグループ(以下ヤマノ、本社東京都、山野幹夫社長)は、SNSの活用を代理店に促している。コロナの影響でサロン顧客数の回復が進まない中、SNSを使い、既存顧客をフォローし、休眠顧客の掘り起こしにつなげるのが狙いだ。大阪・泉佐野市で活動するヤマノ代理店の田端晴美ビューティーセンター(BC)は3月以降、SNSを活用して休眠顧客を10人以上復活させたという。田端BCにコロナ禍の活動について聞いた。

■ヤマノ本社の支援で士気が高まる

 ─新型コロナウイルスの感染が拡大した2月以降、どのように活動してきましたか。
 4月の緊急事態宣言の発令以降、サロンへのお客さまの来店は減少し、売り上げは落ち込んでしまいました。今でも、3割程度のお客さまがステイホームを続けていて、サロンには出て来られないような状況が続いています。
 そんな中でも希望をもって活動してこれたのは、私と同じグループで活動する人たちのモチベーションが下がらなかったからです。
 モチベーションが下がらなかったのは、「会社と一緒に前に進んでいる」という感覚を共有できたからだと思います。私は日々、グループの代表として、ヤマノ本社から提供される情報を、グループに共有するようを心掛けていました。「コロナ禍の厳しい中でも、会社と一緒に前を向いて進んでいる」という安心感を共有できたのだと思います。
 コロナがあってからは、いつもサロンに来てくれるはずのお客さんが来てくれなくなったり、大変なことになったという実感がみんなにあります。厳しい状況だからこそ、ヤマノ本社が代理店を応援してくれることに、安心感と使命感を感じることができたのです。
 ヤマノ本社は、アルコール用品の品切れが続く最中に、サロンの衛生管理にと、アルコール用品を提供してくれました。グループのみんなは、そういったヤマノ本社の支援に励まされたからこそ、通常よりも高い志を持って、パワフルに活動ができたのだと思います。


■SNSで新規顧客の開拓も

 ─具体的には、どんな活動をして、売り上げを維持しているのですか。
 SNSでの情報発信を行っています。努力のかいもあって、休眠していたお客さまを復活させることができています。3月から、十数人の、休眠していたお客さまに、またヤマノの商品を買っていただけるようになりました。
 SNSでは、ヤマノ本社がアルコールハンドジェルを提供してくれたことなどを、積極的に発信しました。一時は、アルコール用品が店頭で欠品してしまうという事態も起きていましたから、アルコールに関する情報の発信は、お客さまの安心感につながりました。遠方の新規のお客さまから、アルコールハンドジェルの商品を注文いただいたこともあります。
 ヤマノ本社が、立て続けに発表してくれた商品も、お客さまに積極的に提案するきっかけになっています。
 ヤマノ本社は、体の免疫力を高めるエステメニューも開発してくれました。6月には、Zoomを使った勉強会も開催してくれました。8月には、お客さまが自宅でエステサロンの体験ができるというコンセプトの「デジタルエステセット」という商品が発売されました。10月には、琥珀成分配合のヘアケア製品の発売もありました。
 間髪入れずに、新商品を提案できましたから、コロナに負けずに頑張って活動ができました。一緒に活動するグループのみんなも、お客さまも、一緒に活気づいてくれましたし、売り上げにもつながっています。


■アフターコロナへ士気を維持

 ─ヤマノでは、Zoomを使って、新商品の勉強会や代理店の会議を行っています。オンライン勉強会はいかがですか。
 会議は月に2回実施しています。発売1週間前から、新商品の勉強会では、毎日2回、使い方や提案方法を、本社のスタジオから配信してくれています。1回の勉強会では理解できなくても、何回も参加して、勉強するようにしています。
 これまで、新商品の勉強会は、大阪市内のヤマノの支店で開催されているものに参加し、講習を受けていました。
 ライブ配信や動画の配信では、大阪市内まで出向く必要がありませんから、時間を気にせず、何度でも勉強できる点が、対面の勉強会よりも良い点です。
 今は、アフターコロナに向け、厳しい状況に耐えて踏ん張る時期だと考えています。サロンに来店するお客さまが3割減っていても、売り上げは前年を上回っています。「仕入れた分はすべて売り切る」を目標に、今後もSNSのグループで、きめ細かい情報発信を行っていくつもりです。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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