【化粧品サロンのニューノーマル】 〈インタビュー〉ポーラ・ザ・ビューティー 浅草田原町駅前店 渡辺佳織オーナー/既存顧客8割にオンラインカウンセリングへ

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渡辺佳織オーナー

渡辺佳織オーナー

 ポーラでは、Zoomなどを使って顧客に日々の美容法などをヒアリングする「オンラインカウンセリング」の実施サロン数が増えている。9月末時点の、オンラインカウンセリングの実施サロン数は、全国で1227店舗。オンラインカウンセリングを活用することにより、顧客の来店頻度の向上に成功しているのが、ポーラ・ザ・ビューティー浅草田原町駅前店の渡辺佳織オーナーだ。「オンラインカウンセリングを実施するお客さまをさらに増やし、年内に店舗の既存のお客さまの8割にオンラインカウンセリングを行いたい」と話す渡辺オーナーに、話を聞いた。

■母親もポーラレディー

 ─ポーラのビューティーディレクター(BD)として、これまでどんな活動をしてきましたか。
 ポーラレディー(現在のBD)に登録したのは、大学を卒業して別の仕事を経た後の、2005年ごろです。もともと私の母が、東京・江東区で活動するポーラレディーだったこともあり、小さいころからポーラの商品には当たり前のように触れてきました。
 初めて自分のお店を持ったのは、13年前です。私のお店から、独立や結婚を理由に辞めたスタッフもいますが、今は5人のBDが、浅草田原町駅前店を拠点に活動しています。
 私のBDとしてのこだわりは、プロ意識を持ってお客さまの接客をするということです。一緒に働くBDのスタッフには、できればフルタイムで活動してもらい、しっかりとお客さまと関係を作ってもらいたいと思っています。長くポーラを愛してくれるお客さまを作ってもらいたいと思います。
 ─オンラインカウンセリングはどのように活用していますか。
 多くのお客さまと、Zoomを使ってやり取りを行っており、お客さまとの関係の構築に役立っています。オンラインカウンセリングは、コロナ禍の中、お店での接客時間を短縮することが目的ですが、お客さまと新しいコミュニケーションを確立するのに役立っています。結果として、店舗への来店頻度が上がったというお客さまが、どんどん増えているような状況です。
 浅草田原町駅前店にはコロナ前、エステのために月間約120人のお客さまが来店していました。コロナ以降は、感染対策のために、施術用のベッドの数を、3台から2台に減らしました。それでも、お客さまの来店頻度が上がったので、来店者数自体は大きく変わっていません。来店頻度の向上には、オンラインカウンセリングが役立っています。
 コロナ前は、エステを受けに来たお客さまが、デパートでの商品購入を希望するといったケースも少なくありませんでした。デパートで購入すると、デパートのポイントが利用できるからです。
 コロナ以降は、人が多いデパートにはあまり行きたくないからと、こちらのお店に商品を買いに来てくれる方も増えました。
 オンラインカウンセリングは、まだすべてのお客さまに実施しているわけではありません。ただ、有効なコミュニケーション手段なので、もっと活用する目標を立てています。年内に、店舗に来店するお客さまの8割に、オンラインカウンセリングを実施したいと考えています。


■理想は他店との相互送客

 ─現在の販売活動の課題を教えてください。
 新規のお客さまの開拓です。オンラインカウンセリングを、新規のお客さまの開拓につなげられないかについて、模索しています。
 課題としては、オンラインでカウンセリングしても、継続的な来店につながらないケースがあるということです。例えば最近、少し遠方に住まれているお客さまに、オンライン接客を行い、ご来店にこぎつけたことがありました。ただ、継続して遠方から浅草まで来ていただくのはかなり難しいと後になって気づきました。
 ほかの店舗に紹介するにしても、オンラインカウンセリングに積極的な店舗もあれば、そこまででもない店舗もまだあります。自由に紹介できないケースも少なくありません。
 今後は、他のサロン店舗とも連携し、相互送客できるような形をとれるのが理想だと考えています。
 オンラインカウンセリングはコロナが落ち着いても続けると思います。引き続き、新規開拓にも、うまく活用していきたいと考えています。

オンラインカウンセリングの様子

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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