公益社団法人日本通信販売協会(JADMA、事務局東京都、粟野光章会長)はこのほど、20年度の「通販広告実態調査報告書」を発表した。通販におけるトラブルの防止や広告表現の改善が目的。20年度は一般消費者の目線に立ってサンプル調査を行った。問題のおそれがある広告は、媒体分類別には「Webサイト上の広告」が、商品分類別には「美容・健康」が最も多いことが分かった。
調査は、20人の調査員から合計118件の広告サンプルを収集して行った。
問題があるおそれのある広告を媒体分類別にみた場合、「Webサイト上の広告」が最も多く、全体の約43%を占めた。次に多かった媒体は「新聞広告・雑誌広告」で約33%だった。アフィリエイト広告に関連するものは全体の約18%を占めた。
■美容・健康が4割
商品分類別に問題があるおそれのある広告は、「美容・健康」が全体の約40%、「飲食料品」が全体の約37%を占めたとしている。化粧品や健康食品に関する広告が目立つ結果となった。
問題があるおそれのある広告について、その理由(複数選択可)を分類別にみると、「誇大な性能・効果効能表現」が最も多く約76%を占めた。商品として合理的に考えられる性能や効果を、著しく逸脱した広告表現が目立つ結果となった。
このほか、「不明瞭な商品内容」「扇情的な広告内容」も40%近くを占めた。
■記載漏れも目立つ
問題のおそれがある広告表現について、特定商取引法に基づく記載事項で照らし合わせると、「付帯費用」「申込期限」「支払期限」「解約に関する事項」で記載が不足していることが分かった。付帯費用や申込期限については、そもそも販売時に設定しないケースがあると考えられると指摘した。
解約に関する事項は、表記を欠く場合は特商法上の返品に応じる義務が生じるほか、トラブル防止の観点からも重要な事項であるとして、JADMAは事業者に記載を求めたいとしている。
調査期間は20年2月8日から14日まで。調査エリアは九州地方で、各県に居住する調査員を人口構成比に応じて選定した。
【JADMA 広告実態調査】 ウェブに問題のおそれ/商品分類別は美容・健康で目立つ(2021年8月26日号)
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