消費者庁/個人事業主を業務停止に/2人には15カ月間の業務禁止も(2021年7月8日号)

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 消費者庁は6月23日、特定商取引法に基づきオンラインツール「NO―VA(ノーヴァ)」を連鎖販売取引で提供する、国内での代表的立場かつ会員である笠井秀哉氏と井上岳氏に対し15カ月間の一部業務停止を命じた。二人には業務停止と合わせて、15カ月間の業務禁止を命じた。
 両名に認定した違反行為は、「勧誘目的等の不明示」「役務提供に関する重要事項不告知」「特定利益に関する重要事項不告知」「不実告知」「公衆の出入りしない場所における勧誘」「概要書面の不交付」「契約書面の不交付」だ。
 「ノーヴァ」は特定のオンラインカジノゲームを宣伝して利用者を獲得するか、新たに「ノーヴァ」の利用者を紹介すると、報酬を得ることができるツールだという。消費者庁・取引対策課は、「海外では認められているから、日本でも合法などとうたって、消費者を騙すため、極めて悪質だ」と指摘した。
 消費者庁によると、会員がSNSで消費者に対し「副業で稼がないか」などとメッセージを送り、興味を持った消費者に事業説明会に来るように誘っていたという。そして、一般人が出入りできない、説明会場で連鎖販売取引の勧誘を行い、消費者に勧誘目的や特定負担を伴う取引であることを伝えなかった。
 説明会では消費者に対して、「15段階まで報酬が貰えるので、自分が紹介しなくても楽に紹介料が手に入る」「毎月、世界中の売り上げの一部が分配される」などと告げていた。概要書面や契約書面も交付していなかったという。
 18年から21年の間に全国の消費生活センターに寄せられた相談件数は2027件に上っている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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