〈改正特商法〉 電子書面の交付が可能に/事業者「導入」「見送り」分かれる

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 改正特定商取引法は6月9日の参議院本会議で、与党などの賛成多数で可決、成立した。今回の改正により、訪販やネットワークビジネスの事業者は、消費者の「承諾」を得た場合のみ、概要書面や契約書面を電子化して交付できるようになる。クーリング・オフの通知も電磁的方法で可能になる。電子書面について、導入する意向を示す事業者が目立つ反面、「顧客に高齢者が多い」「法律やガイドラインが現時点で不明」といった理由で疑問視する声もある。

■業界団体からは賛成の声

 契約書面などの電磁的方法が可能となる取引形態は、通信販売を除く、▽訪問販売▽連鎖販売取引▽電話勧誘販売▽特定継続的役務の提供▽訪問購入▽業務提供誘引販売取引─の6種類だ。
 原則は紙での書面交付を基本とし、これらの取引形態は、消費者の有効な「承諾」を得た場合に限り、PDF化した契約書面をメールなど電磁的方法での交付を認める。
 クーリング・オフの通知も電子化が認められる。その場合は「クーリング・オフの通知を電磁的方法で実施する際に、効力が発生する時期を明記する」との内容が盛り込まれた。
 改正法の具体的な内容について、消費者庁・取引対策課は、「今後、オープンな場で広く議論していく。現時点で検討会の開催時期などは未定」と説明した。具体的な公布の時期についても、「現在、庁内で検討している」(同)との説明にとどめた。
 業界団体や弁護士からは、「消費者の利便性が向上する」「書面不交付などの違反行為を防止できる」といった点で賛成意見が聞かれた。
 (公社)日本訪問販売協会(事務局東京都、竹永美紀会長)は、「社会のデジタル化に業界が対応していく必要がある。対面営業や勧誘の際に、消費者が電子データを求めるニーズは高まっている」(大森俊一専務理事)と改正法に賛成した。その上で、「施行後に問題やトラブルが発生した場合は、行政がしっかりと対応していく」(同)としている。
 特商法の運用に詳しいさくら共同法律事務所の千原曜弁護士は、「現代社会の状況を踏まえて、当然成立すべき法案だ。実施して問題が発生すれば、議論して改善すればよい。書類よりもデータでの保管の方が楽になるのではないか」と電子書面の利点を説明した。


■依然強い反対意見も

 国会の議論では、衆参両院で、野党からは反対意見が上がった。

(続きは、「日本流通産業新聞」6月17日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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