消費者庁/5社の通販に行政指導/コロナ検査キットでうそ表示

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 消費者庁は3月26日、景品表示法の優良誤認に該当する恐れがあるとして、新型コロナウイルスの検査キットを販売する5事業者に再発防止などの行政指導を行った。厚労省の承認を受けていないにもかかわらず、あたかも承認を得て販売しているように表示していた。現在感染していることが判定できるかのような表記もあった。
 表示対策課の松風宏幸上席景品・表示調査官によると、5社の販路はいずれも通販・ECだという。社名は公表していない。
 5社のうち、2社は研究用抗原検査キットを販売。ECサイト上などで「厚生労働省承認済み【国内唯一】」などと表記していた。
 厚労省は今年2月、「消費者の自己判断により、新型コロナウイルス感染症の罹患の有無を調べる目的で使用すべきではないこと」に留意すべきとの考えを示している。
 販売の承認もしていない。これらを踏まえて、このキットが厚労省に承認され、優良誤認の恐れがある表示を行っているとみて、行政指導を行った。
 松風調査官によると、行政指導を受けた事業者は、仕入れ先やメーカーの説明を信じて表示を作ったと話しているという。「事業者の方では表示をチェックしていないということだと思う」(松風調査官)と指摘する。
 3社は抗体検査キットを販売していた。抗体検査キットは現在、新型コロナに感染しているかどうかを判定できない。だが、「キットは(中略)早期、中期、後期の各期をカバ―でき、各期の感染者を正確に発見できます」などと表記していた。
 消費者庁は行政指導のほか、SNSを通じて一般消費者などへの注意喚起を行った。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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