消費者庁/ECと預託商法規制/特商法改正のテーマに

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 消費者庁は2月18日、特定商取引法及び預託法の改正に向けた検討委員会の初会合を開催、今後の議論のテーマとして「経済のデジタル化・国際化に対応するルール整備」と「悪質な販売預託商法に対する実効性のある対策」を、2本柱に据えることを決めた。「経済のデジタル化」については、ECモールや定期購入に関する消費者トラブルの問題が議論される予定だ。通販の定期購入について、新たな表示が義務付けられる可能性もある。
 初会合であいさつした、東京大学名誉教授の河上正二委員長は、ジャパンライフやケフィア事業振興会などの、多くの消費者被害を出した近年の事例について言及。「組織的に詐欺行為を行う企業は、国民と行政の共通の敵だ。敵から消費者を守るため、短い間だが、集中的に議論していく」と話し、悪質企業に対して規制を行いたいという強い思いを示した。
 初会合で、消費者庁の取引対策課は、同検討委員会での今後の議論の方向性を示した。
 「販売預託商法」については、「消費者が勧誘されている取引が真に持続可能性のあるものであるかを確実に判断することができるよう、事業者の業務、財務、経理などの状況や、商品の運用状況を見直すべきではないか」という見解を示した。
 検討会に出席した委員からは、「消費者庁の不当な勧誘行為の取り締まりが遅い。参入規制を設けてはどうか」(池本誠二弁護士)といった、預託販売事業者に対する参入規制を設けようという意見が複数聞かれた。
 「EC」に関しては、「定期購入に関するトラブルが増えている」(松岡萬理野・日本消費者協会理事長)という問題認識の下、「定期購入契約である旨を注文ページに表示するよう義務付けてはどうか」(松本恒雄・国民生活センター理事長)といった意見が出された。
 消費者庁では今後、「販売預託商法」については、悪質商法に対する法執行の強化から、被害者救済の方法までを検討していく予定だ。
 デジタルプラットフォーマーの問題については、現在消費者庁の取引対策課が中心となって立ち上げている「デジタルプラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会」と足並みを合わせながら、議論を進めていくとしている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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