【ニュースの深層】□□46〈白斑問題〉/3月にも補償金支払い納得いく内容か、不安の声も

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 「白斑」問題で昨年11月、「後遺症慰謝料相当の補償」として補償金の支払うことを発表したカネボウ化粧品が、12月から被害者への案内を開始した。早ければ3月にも支払いが始まる。同社は「労災基準・裁判基準に基づき、白斑の大きさ、濃淡、回復傾向などを考慮して補償内容を決定する」と説明。補償内容は基本的に被害者との個別対応で、それぞれの交渉をもって決定する。症状の残る顧客の中には納得のいく結果になるのか不安に思って弁護士に相談する人もいるようだ。

重症な顧客から案内開始

 被害者への案内は、症状の重い顧客から順に開始している。7月には症状の残る全顧客に案内をしていく。
 医師の診断をもとに回復状態などの判断をする。最初の診断から3カ月間の経過観察を再診し、補償内容を決定していくため、早ければ3月には支払いが開始されることになる。
 後遺症慰謝料相当の補償と同時に、白斑症状によって仕事を休まなければならなくなり、収入が減少した顧客には、休業補償も行っていく。
 労災基準・裁判基準、医師の診断に基づき補償内容を判断するが、個別の交渉による部分も大きく、それぞれの顧客がいくら補償されるのかは想定することが難しい。
 「カネボウ白斑被害対策東北弁護団」は10月、発症時から治癒時までの期間を「症状持続期間」として、「公益財団法人日弁交通事故相談センター刊交通事故損害額算定基準(青本)」の通院基準をもとに算出するのが相当と訴えていた。現時点でこの基準は盛り込まれていない。

(続きは本紙1月29日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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