消費者庁/電力・ガス3社の悪質な勧誘を認定/6カ月間の業務停止命令(2023年5月18日号)

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 消費者庁は、電力・ガスを販売する業者3社が訪問販売で違法な勧誘による取引をしていたとして、3社に対し、特定商取引法に基づき6カ月間の業務停止を命じた。3社は、勧誘目的で訪問したことを消費者に告げずに勧誘したほか、消費者の判断力が不足した状態で契約を締結するなど、特商法に違反する勧誘を行っていたという。
 処分を受けたのは、中部電力カミライズと大阪ガスの出資を受けて設立した、CDエナジーダイレクト(本社東京都、八木貴央社長)と、同社と共同で業務を行った3Backs(本社東京都、三浦尚記社長)、ライフデザイン(本社東京都、田中大輝社長)の3社。業務停止命令は、5月11日から6カ月間。
 また、3Backs代表取締役の三浦尚記氏が、違法な勧誘による業務執行に主導的な役割を果たしたと認定。6カ月間、訪問販売に関する業務を新たに開始することを禁止した。
 消費者庁によると、3社の勧誘者は、訪問時に勧誘目的を明示しなかったほか、事実と異なることを言って勧誘するなど、特商法で禁止している4項目で違反する取引があったという。消費者庁には、20年度からの3年間で295件の相談が寄せられていた。
 CDエナジーダイレクトは、22年6月に消費者庁の立入検査を受けて、同7月から訪問販売業務を自主的に停止していたという。23年4月には、ガス料金の過大請求をしていたと発表していた。対象の3696人の消費者に対し、20年12月~23年4月までに過大請求していた料金の自主返金や精算を進めている。
 処分を受けた3社は、自社ホームページで、「処分を真摯に受け止める」とコメントしている。再発防止策を定めるほか、コンプライアンス体制を整備するとした。なお、本紙が独自で行った電話取材に対しては、回答を差し控えた。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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