国民生活センター/広告内容と性能に乖離/4品で「糖質カット効果」なし(2023年3月23日号)

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 国民生活センターは3月15日、「糖質カット」をうたう電気炊飯器を調査した結果、販売会社の広告宣伝内容と実際の性能に乖離(かいり)が認められたと発表した。家電量販店や大手家電ECサイトで販売している5商品を対象に調査したところ、4商品で「糖質カット」の標準値に届かなかったという。
「糖質カット」の電気炊飯器は、コメに水分を多く含ませたり、煮汁を排出したりして、一般的な炊飯器で炊いた白飯よりも糖質を低減できると宣伝していた。
 同センターによると、PIO―NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)には、過去6年間に250件以上の「糖質カット」炊飯器に関する消費者相談が寄せられていたという。特に21年9月以降に急増し、相談件数の半数は、商品の品質や機能に関する内容だったという。
 相談件数の急増を受け、通販・実店舗で販売している5商品を対象に調査を実施した。商品の広告では、「最大で33%の糖質カットを実現」「糖質最大54%オフ」などと表示していた。しかし、調査の結果、糖質の低減率を広告でうたっていた5商品のうち、4商品については表示している数値に届かなかった。
 調査結果を受け、消費者に注意を促し、事業者には改善を要請した。
 事業者には、糖質の低減率を表示する場合、炊飯条件を明示することを要請した。行政には、表示している糖質の低減率に満たない銘柄があり、これらが景品表示法上問題となる恐れがあるため、早急な対応を強く要請した。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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