経産産業省/ビッグデータを活用/アパレルの製造現場に反映

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経済産業省は16年度にも、ビッグデータを活用して消費者の購入行動をアパレルの製造現場に反映する取り組みを計画している。顧客が購入した商品の柄や色などのデータを生産計画に反映。売れ筋商品の調達期間短縮につなげていく考えだ。商品の生産・購入データを工場や小売りと共有。ECでレビューを閲覧したが購入に至らなかった情報の収集なども検討している。同事業の予算として16年度の概算要求に4000万円を計上した。日本アパレル・ファッション産業協会や商社、小売りによる実証実験を支援する予定だ。

ECの情報収集も検討
 実証実験は日本アパレル・ファッション産業協会や小売り、商社などの民間企業が実施する予定で、経産省は実証実験を支援する。店頭で顧客が商品を手に取り、購入あるいは試着したかのデータを収集。ECの場合、商品をクリックしてレビューだけを閲覧した顧客の行動をデータとして集める計画という。
 経産省は「購入するまでの行動をデータとして集め、小売りと工場で共通の情報処理プラットフォームを構築して、生産計画に反映する取り組みを行っていく」(製造産業局繊維課通商室)考えを明らかにした。
 さらに「衣料品の購入にネット通販を利用する消費行動が増えている。小売店のみならずネット通販の消費者行動まで情報を収集したい」(同)としている。

RFIDの利用推進

 経産省とアパレル業界はこれまで、アパレル商品の製造・卸過程における物流や在庫管理のコスト削減を議論してきたという。流行が早いファッション商品の場合、製造・調達などのバックヤードにおける時間短縮とコスト削減が課題となっていたからだ。
 日本アパレル・ファッション産業協会は、無線チップによって人や物を識別・管理する「RFID」の利用を推進している。商品のタグ・値札などにRFIDを付け、生産から販売まで商品の動きを追跡することで、効率化を図れる可能性があるためだ。現在、RFIDを導入した企業は14社に達している。

(続きは「日本流通産業新聞」11月5日・12日の合併号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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