消費者庁/副業の情報商材で注意喚起/事業者や個人事業主の名前を公表 (2022年4月21日号)

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 消費者庁は4月13日、「簡単な作業をするだけで誰でも一日当たり数万円を稼ぐことができる」などと勧誘し、「副業のマニュアル」を販売していた事業者「サポート」について、消費者安全法に基づき、注意喚起を行った。消費者庁によると、サポートと、サポートに関連する個人事業主6人の名前を公表した。サポートから消費者が購入した「マニュアル」には、「簡単に稼げる方法」が書かれておらず、オークションなどで仕入れた商品をフリマサイトなどで販売する方法が書かれていたという。
 消費者庁が注意喚起を行った対象は、サポート(本社東京都、山崎雄貴社長)と、岡戸りょう氏、木村里奈氏など個人事業主5人。サポートなどはいずれも、19年から21年8月にかけて、「簡単な作業をするだけで誰でも一日当たり数万円を稼ぐことができる」などというLINEのメッセージで勧誘し、「副業のマニュアル」を消費者に販売していた。消費者が購入した「マニュアル」を確認したところ、マニュアルには簡単に稼げる方法は書かれていなかったという。
 「副業」に関するランキングサイトなどを見た消費者が、サポートをLINEの「友だち」に登録すると、岡戸氏などからLINEを通じてメッセージが送信され、「マニュアル」の購入を促されるのだという。代金を支払うと、専用のURLから「マニュアル」をダウンロードできるのだという。
 LINEのメッセージには、「指定サイトに個人情報を入力してコピペの作業を行うだけで報酬が振り込まれる」などと書かれていたという。「マニュアル」には、オークションサイトで履き古した靴を自分で仕入れてフリマサイトで販売する方法などが記されていた。動画投稿サイトで、自分自身が仕入れた情報を販売する方法なども示されていたという。
 消費者庁ではこれまで、消費者からの、サポートに関する相談を188件確認していた。サポートを調査したところ、同様の方法で約3億5000万円を売り上げていたとみられることが分かったという。被害にあっている消費者の数は1万8000人以上に上ると考えられるとしている。相談件数以上の被害者が想定されることから、事業者名の公表と注意喚起に至ったとしている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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