【百戦錬磨の仕事人が語る”企業再生術”】第4回 集客メディアのM&Aが新トレンドに

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 前回は新規顧客獲得においてアフィリエイト活用の活性化や、ネット広告(アド)媒体に強いアフィリエイターを活用する際のポイントを紹介しました。
 アドに強いアフィリエイターを活用することで早期に売り上げを伸ばすことが可能ですが、安定的に新規顧客を獲得するためにはSEO(検索エンジン最適化)媒体に強いアフィリエイターを有効に活用することが重要です。
 SEOに強いアフィリエイターは、ウェブサイトで効果的なコンテンツを配信し、検索サイトにおいて特定のキーワードで上位表示させることができます。検索サイトで情報を探しているユーザーが自社サイトに流入してくるので、安定的に顧客獲得につなげることが可能です。
 アフィリエイトには副次的な効果もあります。アフィリエイターが頑張って露出を高めてくれることで、ブランドの認知拡大につながり、当社のサイトに直接流入してくるユーザーも増えます。その成果も含めると、アフィリエイトの直接的な獲得効率よりも本当はもっと高いといえます。

■独自性がSEOの鍵
 安定的な効果を期待できるSEO型のアフィリエイトですが、今後は注意が必要です。グーグルの検索アルゴリズムの変化により、アフィリエイト媒体の表示順位が落とされるケースが出ています。
 グーグルはウェブページのコンテンツの中身(質)を評価するようになっています。メーカーが提供する情報を加工しただけのウェブページでは、評価を上げることが難しくなりつつあります。今後はいかにオリジナルの情報を発信し続けられるかが、SEOの鍵を握りそうです。

■MAで自社媒体構築
 こうした流れを受けて、ウェブメディアを買収するメーカーやEC企業が増えてきました。SEO評価の高いメディアを自社で保有し、メーカーやEC企業がオリジナルの記事を配信していくことで、信頼性の高いメディアとして高い評価を維持することができます。
 メーカーやEC企業は、顧客を獲得できるメディアを自ら持つことで、アフィリエイターやASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)を介さずに直接顧客を獲得できるため、獲得単価を削減できます。
 当社ではサイトの売買を仲介するサービス「ReSite(リサイト)」の運営を行っています。最近はアフィリエイトを活用していたメーカーやEC企業が自社メディアをゼロから立ち上げるのではなく、既存メディアを買収して、集客源として活用したいという依頼が多く集まるようになっています。
 今後、メーカーやEC企業にとって、「いかにSEOに強いメディアを抱えることができるか」が、勝負の分かれ目となる可能性は大きいと思います。(つづく)


〈著者プロフィール〉
AIGATE 竹尾昌大社長

 81年、鹿児島県生まれ。鹿児島大学在学中にOBである京セラ創業者、稲盛和夫氏が開講していた経営塾「稲盛アカデミー」に参加。大学3年時にブックオフコーポレーションの創業者、坂本孝氏と出会い、経営不振だった鹿児島のブックオフ店舗を任される。27歳で福岡の化粧品通販会社に参画し、化粧品・美容サプリ通販の事業運営に従事。その後、売り上げが伸び悩んでいた、美と健康商材を扱う化粧品通販会社をファンドとともにハンズオン投資し、代表取締役に就任。短期間で飛躍的に事業を成長させ、その会社を韓国財閥企業へM&Aする。18年3月、これまで蓄積してきた企業「再生」のノウハウ、M&Aの体験を生かすべく「AIGATE(アイガテ)株式会社」を創設した。

■AIGATE ホームページ
 http://www.aigate.co.jp/

■ サイトM&A仲介サービス「 ReSite(リサイト)」
 https://ai-resite.jp/

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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