【「cafe24」が教える〈韓国発 越境EC成功事例〉】第4回 若年層向け越境ECで年商50億円狙う

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「メロンショップ」の金・ユソンCEO

「メロンショップ」の金・ユソンCEO

 アパレル販売を手掛ける「メロンショップ」は09年、流行に敏感な10〜20代若年層をターゲットに活発な事業を展開しています。
 EC発ブランドとしてスタートした「メロンショップ」は14年以来、毎年2桁成長を記録している韓国EC市場で競合ブランドと競争し、成長を遂げています。特に自社EC展開に集中し、17年に前年比20%売り上げ増加を達成しました。
 「メロンショップ」を率いる金・ユソンCEOは、成長の要因を価格競争力確保や若年層の好みに合わせた品ぞろえとサイト運営だとみています。
 「コスパを求める10代顧客がターゲットなので、自社制作のオリジナル商品の割合を増やし、価格競争力の確保に注力した。これに加え、競合とは差別化されたデザイン開発に工夫し、何度もアクセスしたくなるサイト構築に力を入れたことが良かったと思う」(金CEO)と話す。
 若年層の好みを反映したサイト運営も「メロンショップ」の強みです。例えば、商品名や詳細ページのコメントに若者が日常で用いる言葉を使ったり、詳細画像やメニュー構成にも取り組み、他社との差別化を図っています。


■日本売上50%増

 韓国で成長を遂げ「メロンショップ」は17年、グローバルECプラットフォーム「cafe24(カフェ24)」を使用し、日本語のECサイトを構築、越境EC事業も展開しています。
 日本の場合、韓国とターゲットが同様でファッショントレンドも似ているので、両国の購買パターンも類似した特徴があるようです。
 例えば、恋人同士で「カップルコーデ」を楽しむ文化の強い韓国で人気の「ユニセックス」カテゴリーや、気軽に着用できるマンツーマンTシャツなどは日本でも人気だそうです。
 集客チャネルとしては、若年層がよく使うインスタグラムやLINE@など公式アカウントを活用しています。金CEOによりますと、新着情報や割引情報、さまざまなイベント情報などをSNSで効果的に発信し、自社ECサイトの流入向上につなげています。
 実際、「メロンショップ」は公式アカウントを通じて販促を行った結果、費用対効果も高かったので継続に活用する計画だそうです。
 「日本での売り上げは、17年の参入当初に比べ50%以上伸びており、今年の総売上高は500億ウォン(約50億円)を目指している。高品質のトレンディーな商品提示と若年層向けサイト運営など自社ECで培ったノウハウを生かし、今後も活発な事業を展開していきます」(同)と今後の取り組みについて話しています。


〈執筆者略歴〉
cafe24 マーケティング戦略研究所 イ・シファン所長

 最近のEC市場において大きな話題となっている、「越境EC」についてさまざまな経験やノウハウを蓄積している。記事の寄稿やセミナー講義、関連著書出版なども多数。日本や中華圏、英語圏市場進出を検討する企業に向けてマーケティング戦略、ビッグデータツール活用、ブランド戦略、CRM設計など専門的なコンサルティングを行っている。

カップルコーデの紹介ページ

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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