【〈成長率130%超!〉売上50億円を超えても成長し続ける仕組み作り】 第3回〈成長する組織を作るための”業務効率化”〉/業務を可視化し、仕組み化するこつ

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 理想の姿を検討して、高い目標を作る。そして、現状とのギャップを明確化して、そのギャップを埋める施策を計画する。計画を実行に移す際、ネックになるのが人手と時間である。
 「オシャレウォーカー」では、目標を達成するための人手と時間を作り出すために、さまざまな業務効率化とシステム化を実施している。
 連載第3回目では、売り上げが50億円を超えても成長し続ける、会社が行っている「業務効率化・システム化」について解説する。

■通販業務のミエル化

 業務改善を行い、業務を早く、また、精度を上げていきたい。しかしながら、業務を行っているメンバーは、その業務を実施することが当たり前となり、業務改善を考えることが難しい。
 一方、上長も現場レベルの業務を理解しておらず、的確な業務改善案を提案・指導することができない場合が多々である。
 そこで業務の把握・改善を行うために、全メンバーが毎日どのような仕事を行っているのかを、15分ごとに記録。それらのパレート(ABC)分析を行い、どのような業務にどれだけ時間が掛かっているか業務の”ミエル化”を実施する。
 そして、まず無駄な業務をやめる。メンバーのダブっている業務を一本化。(例:各モールが別々で作成しているメルマガを1人のメンバーが担当する)。その後に、業務時間が長いものから改善活動を実施する。

■仕組み化

 業務を改善した後は、その業務を標準書やチェックリストに落とし込む。こうすることで、新入社員でもそれらを見ながら業務を行い、ベテランと同様に業務を実施することができるようになる。
 例えば、売り上げアップの虎の巻。新入社員でも、それを見れば通販で売り上げを作ることができる。今まで試行錯誤した結果をまとめることができていれば、入社した時点で高度な売り上げアップスキルを持つことができる。

■システム化

 商品登録・受注・在庫管理・お客さま対応をシステムで管理することができれば、通販店舗が何店舗増えても一店舗を運営している感覚で効率的に対応できる。
 また、サイト更新を自動化することで、日々実施していた更新業務をなくすことができ、ミスもなくすことができる。その他にも、RPA(ロボットによる業務自動化)ツールの導入を行い、定常業務の効率化、真夜中に発生する設定変更などの業務を自動化することができている。
 売り上げを作るための新しい施策や業務は、売り上げに比例して増えていく。しかしながら、業務効率化・仕組み化を行うことで、考える必要がない業務を取り除き、メンバーは売り上げを上げるための新しい施策検討に注力する。
 これらの活動の結果、「オシャレウォーカー」では、売り上げを伸ばしながら、ほとんどのメンバーが午後6時には帰宅できるようになった。非効率な業務の改善だけではなく、定常的に実施している「考えないでいい業務」にも着目して、時間と人手を作り、あるべき姿を構築することに注力していきたい。


〈プロフィール〉 mighty 仲庭拓也統括部長

 工学博士。海外での会社設立〜工場建設〜資材確保〜販路拡販業務を6年間行う中で、トヨタ生産方式を用いた改善、人材育成、物流業務などを経験・習得。日本へ帰国後、株式会社mightyの統括部長として通販全般の運営を担当。売り上げ改善を中心に、社員教育、業務改善に取り組む。その結果、17年度は前期比130%以上の売り上げ向上を達成することができ、18年度はさらに売り上げを伸ばすことができている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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