【大阪ガス エナジーソリューション事業部 藤田敦史氏】 <冷蔵総菜を月1回届けるサブスクEC> 新規事業で食に関する悩み解決(2023年11月09日・16日 合併号)

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 大阪ガスは9月12日から、冷蔵総菜のサブスクリプションEC「FitDish(フィットディッシュ)」を開始した。事前の診断機能でユーザーごとにパーソナライズした冷蔵パウチ型のメニューを月1回届けるサブスクリプションサービスだ。大阪ガスは、共働き世帯や単身世帯、高齢者などの利用を想定しており、生鮮品や冷凍食品に次ぐ「第3の宅食」として位置付けており、5年以内に売り上げ数十億円を目指す。エナジーソリューション事業部の藤田敦史氏に、新規事業を開始した背景や今後の事業展開について聞いた。

 ─冷蔵総菜ECに新規参入した背景について教えてください。
 約3年半前に会社の再編を機に、新規事業を立ち上げることになりました。ガスの自由化という流れがある中で、これまでの事業だけだとお客さまに提供するサービスに限界があったり、結果的にお客さまに選んでいただけなくなったりしてしまうので、当社として何かチャレンジできることがないかという背景があります。
 約3年に渡る検討を重ねる中で、三つの案がありました。その中で、食という分野は、これまでガスコンロをはじめ、厨房設備など食に関わるサービスを提供してきました。その他に、ガスのかまど炊飯器なども取り扱っており、食やおいしさを追求した取り組みも行っています。
 本社内にレストランを運営しているほか、来年100年目を迎える料理教室「大阪ガスクッキングスクール」を運営しており、ガスで調理するおいしさを追求しています。こうした背景もあり、食に関する事業について親和性がありました。はやりすたりよりは、消費者の生活にきちんと根付くということが食品事業への決め手でした。
 ─サービスの特徴は。
 献立を考えたり、買い物に行くのが大変だったりという食に関する悩みを解決することを主眼に置いています。
 スマホで家族構成や食の好み、アレルギーについて回答していただく「おまかせ診断」を搭載しました。ユーザーの好みに合わせたメニューをセレクトした「パーソナライズメニュー」を届けます。診断結果や届けたメニューへのフィードバックに基づきパーソナライズの精度が上がっていく仕組みです。つまりユーザーが「カート」に入れるという行為は不要で、当社がデータに基づいて選択する流れになります。

(続きは、「日本ネット経済新聞」11月09日・16日 合併号で)

藤田敦史氏
 2004年入社。エネルギーの見える化やインターネット関連の事業に従事した後、日本初となる家庭用ガス機器のIoT対応の企画推進を務める。2019年4月から新規事業の担当に。21年4月、子どものプリントかんたん管理アプリ「プリゼロ」を開始した。「FitDish」にも立ち上げから従事している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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