【cotta 黒須綾希子社長】<個人・法人で明暗分かれる> 今期は”高客単価””利益最優先”の戦略実行(2023年7月20日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 製菓材料のEC事業を展開するcotta(コッタ)が転換期を迎えている。22年10月―23年3月期(第2四半期)の売上高は、前期比3.3%減の49億4900万円だった。営業利益は同46.0%増の6億400万円となった。営業増益の要因について、黒須綾希子社長は「個人向けの販売は過渡期を迎えており、今期からより一層法人にリソースを集中していることが奏功した。今期含めて、これからは法人向けに注力し、”高客単価””利益最優先”の戦略を掲げていく」と語る。黒須社長に個人・法人の需要の変化、今期の戦略などを聞いた。

 ─貴社は個人向けの販売と法人向けの販売を展開している。今期のこれまでの個人向けの販売について振り返ってもらいたい。
 個人向けの販売に関しては、まさに転換期を迎えている。今期の個人向けの売り上げは、第1四半期、第2四半期とも前年同期を下回っている。
 コロナが5類に移行されたこともあり、街中に人流が戻っている。百貨店や商業施設で食事したり、お土産にパンや菓子を買ったり、旅行や外食に時間を使う人が増えている。このことが当社の個人向け販売に大きく影響している。
 当社はパンや菓子を作る原材料を提供しているため、外でパンを購入する人が増えると、自宅でパンを作る人は減少する。コロナが特に猛威を振るった20・21年は在宅時間の増加の関係で、「家にいて時間もあるから、パンやお菓子作ってみようかな」と思った人が大勢いたが、今はそのような人が、コロナ最盛期のときと比較すると当然減っている。
 ─そのような厳しい外的要因がある中、どのように個人向け事業の再拡大を図っていくのか。
 私の感覚になるが、しばらく個人向けに関しては事業スピードを緩めてもいいのではないかと考えている。先ほど申し上げたことを考慮すると、個人向けの販売がこれから毎年、30~40%も売り上げ増になるのは、現実的に厳しい。コロナ禍で急成長した個人向け販売は、あまり無理をせず、現実的な売り上げ目標を掲げるのが最適だろう。
 ただ、誤解してほしくないのだが、決して何もしないということではない。今まで以上に、「『cotta』で購入してもらうための理由や付加価値の提供」を考えていかなければ、現状維持も厳しくなるだろう。
 今期から個人向け販売に関しては、今までやったことのない施策に取り組んでいる。


(続きは、「日本ネット経済新聞」7月20日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ