【アルペン 武藤恵一EC事業部長】 <楽天SOYグランプリの秘訣を聞く>データで収益性把握し、攻めと守りを明確化(2023年2月16日号)

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 スポーツ用品販売大手のアルペンが運営する「アルペン楽天市場店」は1月25日、ECモール「楽天市場」の年間ベストショップを表彰する「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー(SOY)2022」において、最高賞である総合グランプリを受賞した。創業50周年を迎えた22年に高い実績を上げられたことに、EC事業部長の武藤恵一氏は授賞式の壇上で、「出来過ぎたストーリーだ」と感嘆の声を漏らした。武藤氏に「楽天市場」における22年の戦略や成果、23年の展望について聞いた。

 ─22年にどのような点を強化したことが、総合グランプリ受賞につながったのか。
 データ活用を強化したことが、受賞要因の一つになっている。社内の分析ツールが整ってきたことで、データを生かせる体制ができてきた。
 EC事業でもデータ分析を生かし、売り上げだけではなく、収益面も含めて、攻める部分や守る部分が明確になってきた。その変化が結果にも表れてきている。総合グランプリ受賞には、さまざまな要因があると思う。ただ、昨年の変化としてはデータ分析が一番大きく、そこもかなり寄与したと考えている。
 ─データ分析をどのように事業に生かしているのか。
 以前は競合店舗に負けないように価格を下げたり、ポイントやクーポンなども一部、”ばらまき”みたいになっていたりした面もあった。売り上げを急成長させるためには、そのやり方も有効だった。
 現在は品番やカテゴリー単位で収益面を可視化できており、攻めるべきところや、守るべきところが見えている。収益が上げられると、より攻めの販促が展開しやすくなる。組織的にも環境面でもデータを生かした判断ができるようになっている。
 ─データ活用を強化しているのは、物価高騰の影響もあるのか。
 スポーツ用品に関しても物価高騰の影響は避けられない。それを見据えて、いかにコストを削減できるかを追求している。
 さらに商品ごとの収益性をしっかり把握し、仮に上がったとしても、コントロールできるようにはしている。その調整をする上でもデータを生かしている。
 ─22年に売れた商品カテゴリーは。
 コロナ禍になり、ゴルフとアウトドアが大きく成長した。これらのカテゴリーは22年も好調だったが、成長のカーブは緩まってきた。ゴルフで使用する距離計測器や、キャンプ向けのテントのような大型商品など、高価格帯の商品が縦売れしていたが、そのインパクトは少し弱まっている。
 反面、その他のスポーツカテゴリーは伸びている。部活需要が戻ってきたり、スポーツを再開する人が増えていたりするのだと思う。ランニングやサッカー、バスケットボールなどの関連商品は、22年の後半に売れ行きが伸びている。
 ─「楽天市場」における販促面の注力ポイントは。

(続きは、「日本ネット経済新聞」2月16日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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