【homeal 鬼海翔代表取締役】〈売上高1億円を突破〉誇れる父親になることが経営の根幹(2022年8月11日・18日合併号)

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 幼児用冷凍食品「homeal(ホーミール)」をEC展開するhomeal(本社東京都、鬼海翔社長)が、20年9月の事業開始から堅実な成長をみせている。現在、累計販売食数が42万食に達し、売上高は1億円を超えた。事業を支えるのは、家族を思いやる心にあるといい、社内のほとんどが現役子育て中で、その目線を意識しながら事業に生かしている。将来、子どもが友だちに自慢できるような父親になることが経営の根幹と話す鬼海翔社長に話を聞いた。

 ─事業開始から2年となります。
 2年が経ちましたが、当社を支えてくれているメンバーをはじめ、ホーミールを利用してくれるユーザーのおかげで、当社の事業も少しずつ軌道に乗ってきています。非常にありがたいことなのですが、本音を言ってしまえば、売り上げを上げたいとか、販売数を伸ばしたいとか、そういう目標は二の次。根底にあるのは、私の子どもに誇れる父になれるように証明したいという思いが強く、それが結果としてビジネスにつながっています。
 私は幼少期に母親を白血病で亡くしています。病院から白血病であることを伝えられ、その翌日に亡くなりました。その時、自分に何かできないかと、子どもながらにずっと考えに考えていましたが、何もできることがないことを9歳で痛感しました。この時の思いと、自分の父親の仕事に対する姿勢、そして自分の子どもが乳児湿疹になったことなどが契機となっています。
 家族が生きていること、毎日楽しく過ごしていることに、大きなエネルギーが湧きます。これらを踏まえて、自分の子どもにとって誇れる父でありたいという思いが人一倍あります。これが私のビジネスを支えています。
 ─現在の業績は。
 当社の決算は8月期となりますが、21年8月~22年7月末までの1年間で売上高は1億円を突破しました。これまでウェブ広告などはほとんどしていませんので、純増と判断していいかもしれません。20年9月から事業を開始し、累計販売食数は42万食を超えました。確実に、堅実に成長していると思っています。
 ─顧客の定着率やリピート率については。
 つい先日、販売システム(定期便の継続コース)のプランをリニューアルしました。リニューアル後の定期便の申し込み比率は、全体の約70%となっています。ほかの30%は、その都度購入するユーザーやギフトでの購入などとなっています。正直、定期便の70%は私が想像していた以上の数字と思っています。昨年は、その半分程度だった時もありました。今回のリニューアルによって、さらに顧客が定着していくと予想しています。
 ─どんな風にリニューアルしたのですか。
 これまでの定期便メニューは、6品、8品、10品の3種類から選んでもらう仕組みでしたが、これを撤廃しました。

(続きは、「日本ネット経済新聞」8月11日・18日合併号で)

〈プロフィール〉
鬼海翔(きかい・しょう)
 88年1月10日生まれ、現34歳。千葉県木更津市出身。早稲田大学商学部を卒業後、10年にワークハピネスへ入社。大手企業を中心に次世代リーダー育成や組織変革プロジェクトに従事。16年に社内起業家として新規事業の立ち上げ及び事業統括に就任。50社程度の新規事業やインキュベーションを支援。19年に現homealを創業。4歳息子と0歳娘がいる二児の父。趣味は蕎麦巡り。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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