【クイックゲット 平塚登馬代表取締役社長】〈日本初のQコマース〉目指すのは「次世代のコンビニ」(2022年8月4日号)

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 オンラインで注文を受け、短時間で食品や日用品を配送するクイック(Q)コマース市場が広がりを見せている。クイックゲット(本社東京都)は、19年に国内初のQコマースサービス「QuickGet」を提供開始したスタートアップ企業だ。都内の一部地域でサービスを展開する「QuickGet」は、平均配送時間11分というスピード配送網を強みに、ユーザーから大きな支持を集めている。6月末には総額3億5000万円の資金調達を実施し、さらなる事業拡大を狙う。大手企業の参入も進み、市場が活性化するQコマース業界の先駆者であるクイックゲットの平塚登馬社長に、事業の強みや資金調達後の展望を聞いた。

平均11分で配送

 ─「QuickGet」の特徴は。
 「QuickGet」は、「次世代のコンビニエンスストア」をコンセプトに19年に開始した即配サービスだ。20年の正式開始後、国内初のQコマースサービスとして成長を続けている。
 日用品や食品に加え、たばこやパーティーグッズといった幅広い商材を取り扱う。営業時間は午前9時から午後11時まで。アプリの注文経由で専用のダークストア(配送専用店舗)からユーザーへ配送する。
 現在は、都内の渋谷区・目黒区・港区の一部地域でサービスを提供している。地域を限定したサービスながらも、専用アプリのダウンロード数は10万件を超えている。
 21年11月と22年4月を比較すると、月間売上高は3倍に拡大するなど、成長を続けている。
 サービスの利用者は、年齢層も幅広く男女比もほぼ半々だ。子どものいる40代男性が晩酌用のおつまみを購入したり、一人暮らしを始めた新社会人が生活用品を購入したりするなど、その利用シーンはさまざまだ。
 ─「QuickGet」の強みは。
 サービス開始時から徹底して追及してきたのが、顧客体験価値の向上と経済合理性の両立だ。
 顧客体験価値の向上という点では、「平均配送時間11分」というQコマースの中でも高水準の配送体験が大きな支持を集めている。
 30分前後の配送と10分前後の配送では、ユーザーの満足度や定着率という点でも明確な差が生じる。ユーザーの期待を上回る配送体験が感動を生み、その感動が継続利用にもつながっている。

(続きは、「日本ネット経済新聞」8月4日号で)

【プロフィール】
平塚 登馬(ひらつか・とうま)氏
 1996年生まれ。同志社大学在学時の21歳で起業。京都大学の機械学習エンジニアなどとAIレシピアプリ「レキピオ」を創業。創業時からあった食料品コマース進出の構想をもとに、2019年に「QuickGet」に事業転換。独学でエンジニアリングやデータ分析を習得、プロダクト作りに精通。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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