【エレコム 柴田幸生代表取締役社長】 〈前期EC売上高は142億超に〉調理家電市場への参入も(2022年7月14日号)

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 パソコン関連製品の開発、製造、販売を行うエレコムの22年3月期のEC売上高は、前期比4・5%増の142億8400万円だった。全社売上高は、21年3月期に初めて1000億円を超え、22年3月期もさらに売り上げを伸ばした。好調の背景には、コロナ禍におけるテレワーク需要の拡大などがあったようだ。ニーズを見極める商品開発や販促方法について、柴田幸生社長に話を聞いた。

 ─増収の要因について教えてください。
 コロナ禍ではテレワーク需要が急拡大しました。パソコンの周辺機器を取り扱う当社にとっては、特需に近い状態でした。ですが、昨年と一昨年では、人気商品の傾向が異なっています。市場のニーズを見極め、需要の高い商品を開発し、打ち出しを強化できたことが、売り上げの増加につながったと考えています。


■「とりあえず」から「利便性」に

 21年3月期は、「とりあえず」で購入する人が多かった印象です。とりあえずテレワークをするために、自宅用のマウスやキーボードを買う人や、とりあえずウェブ会議のために、カメラやヘッドセットを買う人が多かったですね。スマホの固定スタンドも人気でした。いつまで続くから分からないテレワークに、あまりお金をかけたくないためか、安価な商品から売れていったのが一昨年の特徴でした。
 テレワークが1年続き、より上位のものを購入しようという、アップセル需要が高まったのが22年3月期でした。当社の売上高としては、微増でした。テレワーク特需が過ぎ去り、購入点数は落ちたのですが、購入単価が上がったのです。例えばヘッドセットで見ると、一昨年に人気だったのは2000円前後の価格帯の商品でしたが、昨年は1万円前後の商品がよく売れました。顧客も付け心地や性能を重要視する傾向が強くなってきているようです。
 21年12月には、デュアルマイクノイズリダクションのヘッドセットを発売しました。二つのマイクが付いており、環境音集音マイクで拾った雑音はカットし、口元のマイク音声を届けることができます。雑音の多い環境で通話をしても、相手にはクリアな音声を届けることができます。価格は1万5000円前後ながら、売れ行きは好調を維持しています。


■高単価品はECで

 ─店舗とECの売れ行きに変化はありましたか。
 昔は、店舗で高いもの、ECで安いものが売れていましたが、近年は逆転してきています。顧客の情報リテラシーが年々高まっていることが要因だと考えています。
 ECは店舗に比べて、訴求できる情報の分量が多いのが特徴です。SNSや動画での訴求もできます。パソコンの周辺機器は、価格と機能を他の製品と比較して買うことが多いです。比較のしやすさから、ECでの購入が増えているのだと思います。
 当社ではEC売上高として、自社サイトや楽天、アマゾンなど把握可能な数値を開示しています。ただ実際は、実店舗とECで在庫を共有しているケースなどもあります。全てを把握できていないところを含めても、ECの売り上げは伸びています。
 「EC関連の売り上げ」という意味では、コロナ前と現在で大きく変わってきています。推定にはなってしまいますが、コロナ前が全社売り上げの10%前後、現在は20~30%程になっていると思います。


■調理家電はインスタで

 ─調理家電の事業について教えてください。

(続きは、「日本ネット経済新聞」7月14日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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