【俳優 矢沢心さん】 〈ビッグエム「ル メーラ」を共同開発〉主婦湿疹に悩み、開発したボディーバーム (2021年12月16日・23日合併号)

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 イベント制作や物販事業を手掛けるビッグエム(本社東京都、瀧藤雅朝社長)は21年11月、俳優の矢沢心さんが監修したプロテクトスキンボディバーム「LE MERA(ル メーラ)」の販売を開始した。一部の店舗とECで展開し、来年以降、販路拡大を順次進めていく計画だ。「ル メーラ」は、日々の家事で発症しやすい主婦湿疹に着目したボディーバームで、この症状に15年以上悩んできたという矢沢さんは開発段階から携わった。開発に至った背景や商品への思いについて矢沢心さんに聞いた。

■悩みに共感してくれた

 ─商品開発の背景について教えて下さい。
 きっかけは1年ほど前、私が主婦湿疹で悩んでいることをビッグエムの方に相談したことでした。
 製品が完成するまでには、何度も自分の手を使い、症状を確認してきました。当然ですが、1回で良くなったわけではありません。途中で手がかゆくなってしまうことが何度もありました。最初は良くても、後で駄目になることもありましたので、開発にはそれなりに時間がかかりました。
 私自身、SNSなどを通して主婦湿疹で悩んでいることを発信してきました。ひどい状態だった自分の手を写真でも紹介しました。去年の10月に発信した手荒れについての投稿では、コメント数が690件を超えました。手紙なども直接もらいました。症状の例や原因など細かく書いてくれた人もいました。
 こうした反応をみて思ったのは、これだけ多くの人が、主婦湿疹で悩んでいることです。私と同じような状態の人だけでなく、違った事例もありました。
 私のSNSをフォローしている人は、私が主婦湿疹で悩んでいることを知っています。フォロワーでなくても、困っている人が大勢いることを踏まえ、製品は良いものを出したいという気持ちがさらに強まりました。
 ─15年以上悩んでいたそうですね。
 そもそも、夫の魔裟斗と結婚する前から、ひどい手荒れでした。当時は原因も分からず、慢性的な状態。就寝中も、手がかゆくなって、朝起きると、手に水疱が出来ていて痒みが治らずつぶれるまで掻いてしまい、両手の表面はいつもガサガサでした。
 皮膚科には2005年から通い、何度も症状を診てもらいました。病院も違うところへ通ってなど、いろいろなことを試しました。しかし、皮膚科の先生からのアドバイスは同じで、ステロイドによる処方ばかりでした。ステロイドは一時的には良くなりましたが、ずっと服用するとなると、話が変わります。個人的には、ステロイドについての疑問に加え、子どもと触れ合う際に、何か問題が生じないかなどの苦悩もありました。
 現在は3人の子どもに恵まれています。出産も控えていた時、子どもに母乳を与える時、影響が出ないかと配慮していたので、ステロイドの服用はできない状況でもありました。
 家族のことだけでなく、タレント活動もしていますので、手が荒れていては死活問題です。カメラの前で手を出すことがある際は、握手をするという行為にも「手がガサついている」と思われないか心配で、握手という行為に相当なコンプレックを抱いていたことも事実です。
 ─「ル メーラ」は自分でも日々使っているのですか。
 もちろんです。毎日常備して使っています。使い始めて2カ月半ぐらいになりますが、今はかゆみや痛みは特にありません。
 「ル メーラ」の特徴は、超精製ワセリンです。浸透性のある商品とは異なります。ワセリンで手を保護しつつ、保護した内側で、改善させていく感じです。浸透させる商品の場合だと、中には体の抗体と反応してしまうため、逆にかゆみや痛みが伴ってしまう可能性があるようです。
 「ル メーラ」はワセリンという保護要素を取り入れ、内側から改善していくバームとなっています。細かな説明は販売ページに掲載しているようなので、見てもらえると、さらに詳しく分かると思います。
 ワセリンを使っているため、少量でも伸ばして使えます。ワセリンの効果なのか、多少の水仕事なら、保護がすぐ取れないので、使い勝手も良いと感じています。
 他の同様の商品と比べて、価格は高く感じるかもしれませんが、それだけ良いものという証拠だと思っています。手だけでなく、体のどこでも使えますので、重宝しています。家族全員で使っています。


■自分にも自信が

 ─主婦湿疹で悩んでいる人に伝えたいことは。
 まずは商品を使ってもらいたいというのが本音です。私と同じような症状の人や、家庭と仕事を両立しながら主婦湿疹と戦っている人が多数いると思います。こうした人たちのお手助けアイテムになればと思っています。
 今の私は主婦湿疹でほぼ悩んでいません。これは、私の大きな自信になっています。さきほどもお伝えした通りで、以前は仕事や家族に迷惑をかけてしまうという不安を抱えながら主婦湿疹と共存する生活していました。家族で手をつなぐ時や子どもの顔を触る時に、手ががさついていたら、触られる立場からすると複雑です。主婦湿疹が酷い時、子どもに「ママの手ガサガサしている」と言われた時は恥ずかしくもあり、子どもの顔を触れないと落ち込みました。
 主婦湿疹の問題を自分で解決できたわけではく、製品開発に携わったり、家族の支えがあってこそ。特に、魔裟斗が子どもの世話や、家族サービスを積極的にやってくれました。
 これは私の経験談になりますが、主婦湿疹が解決していくことで、自分に自信が生まれます。それは、公私どちらにも好影響をもたらします。少しでも、多くの人に「ル メーラ」を手に取って使ってもらえたらうれしいです。

【プロフィール】
矢沢心(やざわ・しん)
 1981年3月16日生まれ。東京都出身。97年にデビューし、女優・タレントとして幅広く活躍。プライベートでは07年に格闘家の魔裟斗さんと結婚。3人の子どもの育児に奮闘する。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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