イオンとドイツのスポーツEC最大手のシグナ・スポーツ・ユナイテッドが共同出資で昨年1月に設立したイオン・シグナ・スポーツ・ユナイテッド(本社東京都)が急成長している。スポーツチーム向けのユニフォームECサイト「Outfitter(アウトフィッター)」では、今年3月時点で5000着ほどだった注文数が、同8月には9000着にまで拡大。提携するスポンサーロゴをユニフォームにプリントすることで、価格が最大50%引きになるというユニークなサービスモデルが受けている。泊剛史社長に日本のスポーツEC市場での勝算や今後の戦略について聞いた。
─イオンがドイツ企業と組んでスポーツECに参入した狙いは。
イオンはリアルを中心に店舗を提供してきたが、デジタル領域ではまだまだやり切れていない点がある。欧州で実績のあるシグナ・スポーツ・ユナイテッドと組むことで、デジタルを強化する狙いがあった。スポーツ関連商品の領域は、EC化が遅れている面もあり、開拓余地はあると考えている。
─提供しているサービスは。
三つのサービスを展開している。昨年6月に開設した「アウトフィッター」は、カスタマイズユニフォームのECサイト。顧客が選んだスポンサーロゴをプリントしたオリジナルユニフォームを、オンライン上で簡単に作成・購入できる。スポンサーロゴを入れる位置や個数に応じてユニフォーム代金が最大50%割引になる。サッカーユニフォームからスタートし、今年6月にバレーボール、同8月にバスケットボールを追加している。
昨年7月にはテニスの情報サイト「Tennis―Point(テニスポイント)」を開設し、今年3月に情報サイトと連携したECサイトを開設している。昨年9月には、中上級者向けの自転車専門ECサイト「Probikeshop(プロバイクショップ)」を開設している。テニスと自転車のEC事業は、シグナ・スポーツ・ユナイテッドが取り扱うPB(プライベートブランド=自主企画)商品を国内で買えることが魅力になっている。
─この3領域を攻めようと考えた理由は。
カスタマイズユニフォームのECサイトは他にもあるが、スポンサーロゴを入れると割引できるサービスモデルは他にはなく、差別化できると考えた。テニスや自転車の領域も、市場が拡大しているが、まだまだEC化が進んでいないことから参入余地があると判断した。
■SNSマーケに注力
─「アウトフィッター」が成長している要因は。
ECサイトはユーザーフレンドリーに設計されており、カスタマイズユニフォームがオンライン上で簡単に作成できる。ナイキやアディダス、アシックス、プーマ、アンブロといった有力メーカーのユニフォームをカスタマイズできる点も好評だ。
(続きは、「日本ネット経済新聞」9月2日号で)
【イオン・シグナ・スポーツ・ユナイテッド 泊剛史代表取締役社長】 〈スポンサー印字で50%OFFが人気〉日独連合でスポーツEC市場トップへ
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