【ユーグレナ 出雲充社長】EC化率30%達成キューサイとデジタルでシナジー

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 ミドリムシを使った、健康食品や化粧品の通販を展開するユーグレナは、グループ全体において、ECで新規顧客を獲得する割合が21年3月末時点で30%に達した。ユーグレナは21年9月までの目標として「EC化率30%」の達成を掲げていた。半年前倒しで目標を達成した形だ。ユーグレナは21年2月1日付で、複数の投資ファンドと共同で、老舗通販のキューサイ(本社福岡県)を買収した。出雲社長は、「ユーグレナのデジタル化の流れをキューサイと共有し、シナジーを生み出す」と話している。出雲社長に、デジタル化の進捗とキューサイ買収への思いについて聞いた。

■「コロナ」と「DX」がきっかけ

 ─21年3月末時点で、EC化率30%を達成しましたが、要因は。
 新型コロナでお客さまとのコミュニケーションの仕方が、ガラッと変わりました。一番影響が大きかったのは「デジタライゼーション」「DX」という面です。
 これまでは、デジタルチャネルから、ユーグレナのお客さまに初めてなるという人は、すごく少なかった。10%未満でした。
 従来は9割以上のお客さまが、新聞やテレビ、チラシでユーグレナのことを知り、コールセンターに電話したり、はがきを送ったりして注文していました。もちろん、こうした方々は今も主要なお客さまです。
 この1年間は、とにかくデジタル、DXに力を入れて取り組んできました。主力の健康食品のブランドを、「ユーグレナの緑汁」から「からだにユーグレナ」に刷新したのもその一環です。ウェブ上でブランドのことをお伝えし、トライアル商品を一つ一つ試してもらうなどして、デジタルの新規のお客さまの比率を30%にまで高めようと、目標を明確に見定めてやってきました。
 デジタルで完結する新規顧客の比率を、目標である3割まで高められたことは、成果だと感じています。


■ゼロから作り上げた先駆者

 ─老舗通販のキューサイを買収した狙いは?

(続きは、「日本ネット経済新聞」6月3日号で)

出雲・充(いずも・みつる)氏
 1980年生まれ。駒場東邦中・高等学校、東京大学農学部卒業後、2002年東京三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行。2005年ユーグレナを創業、代表取締役社長就任。同年12月に、世界でも初となる微細藻類ミドリムシ(学名=ユーグレナ)の食用屋外大量培養に成功。世界経済フォーラム(ダボス会議)ヤンググローバルリーダーや、第1回日本ベンチャー大賞「内閣総理大臣賞」を受賞した。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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