【そごう・西武 伊藤謙太郎事業デザイン部新業態推進担当担当部長】 〈D2Cブランド集まるOMOストア開業〉新規客獲得とデジタル化を加速

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武(本社東京都、林拓二社長)は今年9月上旬に、D2Cブランドが出店するメディア型OMOストア「CHOOSEBASE SHIBUYA(チューズベース シブヤ)」を西武渋谷店パーキング館に開店する。若年層など新規顧客の開拓とデジタル化の推進を図る。ECサイトも同時に開設し、店頭とECの在庫をリアルタイムで連動させる。約700平方メートルの売り場に開始時は約40ブランドが出店する。開業に向けた構想について事業デザイン部・新業態推進担当の伊藤謙太郎担当部長に聞いた。

■意味ある消費を大事に

 ─メディア型OMOストア開設の意図を教えてほしい。
 店頭をフックとしたデジタル化の推進と、百貨店に来店することが少ない年齢層の新規顧客獲得を意図している。具体的には、10代後半~20代前半の「Z世代」と、20代中盤~30代後半の「ミレニアル世代」だ。OMOストアの開設に当たって、サステイナブルに近いテーマを設定する予定だ。各種メディアによる調査結果から、この年代は、持続可能な社会を作っていくことに関心が高い人が多いことが分かっている。教育的観点ではなく、渋谷らしいカジュアルな切り口でサステイナブルをご理解いただき、その上で買っていただく形を目指す。
 ─今回、出店するブランドはD2Cブランドを対象としている。これはなぜか。
 D2Cブランドにとって、自分たちのブランド価値を同じような価値観を持っている人にもっと届けたいというニーズがあると考えた。こういった立ち位置のブランドを集めることで、そのスタンスに共感するお客さまにとって良い場所になるのではないかと思い、着想した。
 昨今、どんどんテクノロジーが発達し、誰もがD2Cブランドを簡単に作れる世の中になった。そういったブランドは、小規模ながら尖ったブランドが多い。
 テーマを明確に打ち出し、そのテーマに共感いただけるブランドやインフルエンサーを巻き込んで一大ムーブメントを巻き起こしていきたいと考えている。そういった文脈に共感する消費者が集まることで、D2Cブランドが商品を届けたい顧客とマッチングできるようなサービスを提供していきたい。大手ブランドの商品を大量生産し、割引施策などを打ち出して大量消費を促すような、いわゆる便益的価値の創出を狙うのでなく、当社は情緒的価値を重視していく。意味のある消費を大事にしていきたいと思っている。


■全てキャッシュレスで

 ─出店・出品する際、D2Cブランドにはどのようなメリットがあるのか。

(続きは、「日本ネット経済新聞」4月22日号で)

【プロフィール】
伊藤謙太郎(いとう・けんたろう)氏
 18年7月、そごう・西武入社。事業デザイン部ネット戦略担当に配属。20年9月から現職。19年5月から「CHOOSEBASE SHIBUYA」の事業計画の策定に着手している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ