【デロンギ・ジャパン マーケティング部トレードマーケティンググループ 木村健二マネージャー】 〈家庭用コーヒーのサブスク事業を開始〉5万円のコーヒーメーカーと豆を月額制で

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 95年設立で、オイルヒーターやコーヒーメーカーの卸・販売を行うデロンギ・ジャパン(本社東京都、杉本敦男社長)は20年11月から、家庭用コーヒーのサブスク事業を始めた。月額税込・送料込4500円で、月750グラムのコーヒー豆を届ける。同社製の5万円相当の全自動コーヒーメーカーもレンタルできるサービスとなっている。高級コーヒーメーカーを借りられる同サービスは、開始後すぐに契約件数が当初の予定数に達するなど、大きな注目を集めている。サブスク事業を始めたきっかけや、今後の事業展開について、マーケティング部トレードマーケティンググループの木村健二マネージャーに話を聞いた。
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 ─サブスク事業を始めたきっかけについて教えてください。
 2020年は設立25周年の年でした。設立当初からずっと「メーカー」でしたので、売ることは他社に任せていました。ネットの普及に伴い、ECによる直販も行うようになりましたが、より顧客に近く、声が聴ける事業を始めたいと考え、サブスク事業を立ち上げました。サブスクのプロジェクト自体は2年前に立ち上がり、約1年はクローズドな環境で試験的にサブスクサービスを行っていました。当時の会員は数十人で、ユーザーがどのように行動するのかを研究しつつ、顧客対応や物流の体制を整えていきました。当社としては、今までやったことのないサービスだったので、テストも兼ねていました。
 ─当時のサービスは今と同じ形だったのですか。
 コーヒーメーカーを貸し出して、月額で定額という点は一緒ですが、当時のサービスは「ポイント制」でした。ポイントは、コーヒー豆の送付だけでなく、グラスやカップの交換にも使用できるようにするなど、選択肢を増やし、自由度を高めていました。それらを、欲しいときに注文できるサービスでした。サブスク事業を始めるにあたり、他社のサービスも数多く調べたので、差別化ができるという狙いもありました。
 ─結果的にサービス内容が大きく変わってしまったのはなぜなのでしょうか。
 顧客に付与したポイントが消化されないなどの課題が見つかったためです。顧客がポイントを使用しないと売り上げにならないため、売り上げの先行きが不透明な状態でした。またポイントを消化していないということは、当社からのサービスも受けていませんから、顧客満足度が下がってしまいます。サービスを有効活用できないとなれば、解約してしまうので、ビジネスとして成り立たないという結論に至りました。現在の形にすることで、「自由度が下がる」「他社と差別化できない」といった声も社内からは上がりました。ただ、

(続きは、「日本ネット経済新聞」3月11日号で)

木村健二氏(きむら・けんじ氏)
 1981年生まれ、デロンギ・ジャパンには14年入社。マーケティングコミュニケーションやセールスプランニングの経験を経て、20年2月より現職のトレードマーケティンググループのマネージャーに就任。現職では主に直営(D2C)ビジネス、新規事業領域を担当している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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