【シュゼット・ホールディングス 蟻田剛毅代表取締役社長】 〈コロナ禍のバレンタインに挑戦〉ECモール開設、同業者と売り場開拓

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 洋菓子ブランド「アンリ・シャルパンティエ」などを展開するシュゼット・ホールディングス(HD)は、バレンタイン商戦に向け、チョコレートのECモール「アンリ・ショコラエイド」を立ち上げた。コロナ禍でリアルの売り場が苦戦する中、同業者と手を組み、ネットの売り場を自ら開拓している。シュゼットHDの蟻田剛毅社長は、「自ら販路を作らないといけない」という危機感や、「業界のために動かねば」という思いに突き動かされ、ECモール開設に至ったようだ。

■仲間と売り場作る

 ─バレンタインに向け、チョコレートのECモール「アンリ・ショコラエイド」を立ち上げた狙いは。
 われわれは店を構え、商売をさせてもらっている、いわば装置産業だ。何かアクシデントがあると店を開けたくても開けられないことがあると痛感した。自分たちでECモールを作ったのには、「自分たちの売り場を自分たちで確保する」という思いがある。
 当社はありがたいことに、お客さまが付いてくださっているブランドをいくつか持っている。ブランドの名前からサイトに訪問してくださるお客さまもいる。ただ、われわれのブランドだけで提供できる商品には限界がある。特にチョコレートのラインアップは少ない。それでもバレンタインの時期にサイト流入者は増える。せっかく訪問したお客さまにチョコレートが少ないとがっかりされるよりは、「チョコレートに強い仲間に集まってもらったので、他のブランドですが楽しんでいってください」と言える方が業界のためになるし、お客さまの失望感も減らすことができる。
 みんなに集まってもらうためには大義名分が必要だ。そこで「アンリ・ショコラエイド」では売り上げの一部を未来のショコラティエとなる製菓学生へ、奨学金として寄付するチャリティーも行っている。
 ─参加するブランドの選考基準は。
 同じような考えを持っているブランドを集めるため、まずは日頃からお話させていただいていたり、取引がある会社に声をかけさせていただいた。

(続きは、「日本ネット経済新聞」2月4日号で)

〈プロフィール〉
 74年5月21日生まれ。関西学院大学法学部を卒業後、広告代理店の電通に入社。07年、父の創業会社、アンリ・シャルパンティエ(シュゼット・ホールディングス)に入社。入社後は、アンリ・シャルパンティエのブランド監修を行っていたクールアースにてマーケティングに携わる。シュゼット副社長などを経て、11年6月に代表取締役社長に就任。経営の立て直しを行い、就任翌年度には赤字から一転V字回復を果たした。電通在籍中に早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際経営学専攻を修了している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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