住設機器の販売やリフォームのECサイト「住設ドットコム」を運営する永野設備工業(本社大阪府)は2020年8月で20期目を迎えた。EC事業は02年から開始。19年5月からはユーチューブに、永野社長が出演する動画チャンネルも開設した。チャネル登録者数は3200人を突破し、ECサイトへの流入や購買率の向上につながっているという。20年9月期のEC売上高は前年より約1億5000万円増えて12億円になる見通し。住設企業の中では、異色の取り組みを行い、着実な成長を見せている永野社長に話を聞いた。
■EC売上12億円見込む
─今期の業績について聞きたい。
20年9月期のEC売上高は12億円を見込んでおり、前年よりも1億5000万円前後の増収となる。20年3月以降、コロナの影響で水回りの設備機器の商流が止まり、一時的に在庫不足という時もあったが、なんとか乗り越えた。
販促はウェブ広告を中心に実施してきた。ECのバックオフィス業務などのシステムを内製化した。システム開発が行えるプログラマーを4人採用し、外部のシステムに頼ってきたものを自社で構築してきた。受発注管理などを内製化したことで、スムーズにスピード感を持って顧客対応などが行えるようになった。こうした改善が、増収要因の一つになったと認識している。
■絶対的に差別化できる
─ユーチューブを始めた理由は。
そもそも、住設機器は、ナショナルブランドの商品が大半。つまり、住設企業が取り扱うことができ、販売ができる。さらに、ネット販売となると、差別化が難しく、最終的に価格で勝負せざるを得ないのが現実だ。住設機器は施工も同時に必要だが、施工で差別化を図ることも難しい。施工の良しあしは画面で伝えにくいからだ。
(続きは、「日本ネット経済新聞」9月3日号で)
【永野設備工業 永野祥司代表取締役】 〈ECサイト「住設ドットコム」を運営〉ユーチューバーとしての新たな挑戦
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