【NTTドコモ スマートライフ推進部 櫻井稚子食文化事業担当部長】〈「dミールキット」EC開始〉体験通じコミュニケーション醸成

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 NTTドコモは7月、食品ECのオイシックス・ラ・大地(以下オイシックス)と組み、オリジナルのミールキット「dミールキット」のEC展開を始める。ドコモが手掛ける「子育て応援プログラム」のコンテンツに盛り込み、年内に約1万人のアクティブな定期会員の獲得を目指す。NTTドコモのスマートライフ推進部で「dミールキット」の責任者を務める櫻井稚子部長に、新サービス開発の経緯と今後の事業展開について聞いた。

■分科会を設け協議

 ─7月に新サービスを開始します。オイシックスと、どのような取り組みをしてきたのですか。
 まずは、オイシックスの高島宏平社長との話し合いの中で、らでぃっしゅぼーや事業の早期黒字化を優先していくという考えで進んできました。ミールキットの開発も重要ですが、当社もオイシックス・ラ・大地に出資しており、しっかり事業を引き継いでいくことで成功させていくことが重要だという考えで一致していました。
 2点目は、オイシックスとの共同事業ということで、成功させるためにはお互いにかなりの覚悟が必要であると考えています。事業の在り方を含め、どのような形態が最も良いのかを検討してきました。その結果、「仮想ジョイントベンチャー(JV)」と社内では呼んでいますが、この仮想JVのような考え方で、お互いのメンバーが事業にコミットし、成長させようという考えに至りました。
 ミールキットは、大手食品スーパーも含め、競合他社が多く、そこで何が勝ちパターンになるのか、また、これまでオイシックスが手掛けてきたデータマーケティングの分析実績を元に、どのような新商品にするのかなど、分科会で時間をかけてお互いに議論を交わしてきました。
 昨年3月から開始した分科会「dミールキットプロジェクト」では、約10人で構成し、集客プロモーション、製品のあり方、フルフィルメント、システムなどを週一回のペースで協議しています。オイシックス側から5人、ドコモ側から5人、私と高島社長で構成しています。


■ミールキットに注力

 ─NTTドコモでは、これまで食の領域については苦戦してきたと思います。
 当社では「+d(プラス・ディー)」という考え方で、パートナーと組んでしっかり事業を進めていこうという考え方があります。らでぃっしゅぼーやの場合は、食の領域というよりは、食品宅配・EC企業として「dショッピング」との親和性がありました。また、ABCクッキングスタジオは、教育という考え方で傘下に収めていました。当時は、顧客とのシナジーやアライアンスという視点でグループ化を進めてきました。

(続きは、「日本ネット経済新聞」7月4日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ