【都城市 池田宜永市長】〈楽天との取り組みを聞く〉「ふるさと納税」から公式ショップに誘導

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 楽天と宮崎・都城市は今年2月、ネットやキャッシュレス決済を活用した包括連携協定を締結した。「ふるさと納税」のさらなる振興や、公式オンラインショップ開設による地域産品など、販路拡大について取り組んでいる。池田宜永市長に楽天との取り組みの狙いや現時点での成果について聞いた。

 ─なぜ楽天市場で公式オンラインショップを運営することになったのですか。
 市で運営しているオンラインショップがあったのですが、あまり更新されておらず、私から見ると開店休業状態でした。かつての「ふるさと納税」のように待ちの状態だった。そんな中、楽天市場でも実績豊富な「タマチャンショップ」を運営する九南サービスさんが市内にあり、「ふるさと納税」でも連携していました。現状を見たときに専門家である九南サービスさんにお任せして、公式オンラインショップを一から作り直していただきたいと思いました。

 ─公式オンラインショップ「極上!みやこのじょう!」の運営形態は。
 都城市の看板を貸す形で、運営は九南サービスさんに委託しています。広告などイニシャルコストについては市から一部出していますが、運営の収益は九南サービスさんで完結する形になっています。
 ─以前の公式ショップと比べて新サイトはどう変わりましたか。
 サイトのデザインは素人目に見てもレベルが違います。お客さまにとって見やすく、情報が取りやすいと思います。ただ、売り上げはまだ目標通りには上がっていないと聞いています。商品を厳選しており、まだ品ぞろえが薄い点が要因の一つのようです。今後、改善していけると思います。

 ─「ふるさと納税」と公式オンラインショップの連携は。
 「ふるさと納税」のページにリンクを貼っていたり、寄付していただいた方にメルマガでアクションしたりしています。「ふるさと納税」よりも少し購入のハードルは上がりますので、寄付していただいた方にクーポンを送付して利用を促す取り組みも試験的に実施しています。それなりの効果が出ているようです。


■新制度で切磋琢磨

 ─指定制度や返礼品の規制を盛り込んだ「ふるさと納税」の新制度をどう捉えていますか。
 私自身、総務省に制度設計について進言していました。ルールがあいまいな現状のままだと収集がつかなくなると思い、制度を安定的に維持するために制度を一新した方が良いと考えていました。同じ土俵の上で各自治体が切磋琢磨すべきだと思います。都城市の寄付額の伸びは、「ふるさと納税」全体の伸びとあまり変わりません。今年度は全体的に規模が小さくなると思いますが、昨年度は特殊要因が多すぎたので仕方ないと思います。
 私としては寄付額よりも寄付していただいた方の件数に重きを置いています。昨年度は約65万件の寄付をいただいており、少しでも都城市と接点を持っていただいた方と公式オンラインショップやその他の方法でさらに深くお付き合いし、観光や移住にもつなげることができればと考えています。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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