【ANAP 取締役執行役員デジタル営業部門長 門倉清隆氏】後払い決済導入で顧客を囲い込み

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 女性向けアパレルブランドのANAPは、ECサイトにおいて、顧客の囲い込みと受注作業の効率化を同時並行で進めている。2月には、自社ECサイトに後払い決済サービス「アトディーネ」を導入。従来導入していた後払い決済サービスよりも、受注関連スタッフの作業時間が50%削減されたという。顧客のかご落ち防止にも貢献しており、19年8月期の売上高を大きく押し上げる要因になりそうだとしている。同社の門倉清隆取締役執行役員デジタル営業部門長に、後払い決済導入のメリットと、ANAPの顧客の囲い込み戦略について聞いた。

■自社サイト売上が50%

 ─ANAPのEC売り上げの構成比を教えてください。
 当社の全社売り上げのうち、ECが約6割を占めています。EC売り上げのうち、自社サイトの売り上げが50%を占めており、その他を、ファッションECモールのZOZOTOWN(ゾゾタウン)やSHOPLIST(ショップリスト)、楽天市場、アマゾンなどECモールでの売り上げが占めています。
 当社は2003年にEC事業を開始してから、自社ECサイトでの事業を、メインに展開してきました。この5〜6年は、ゾゾタウンなどのモールへの出店を強化していますが、今でも自社サイトでの売り上げ構成比が一番大きいです。
 当社のECの顧客のボリューム層は、20代後半から30代前半の女性です。この世代には子供を持つ母親も多いことから、最近では、キッズ商品の売れ行きも伸びています。自分の洋服と子供の洋服の合わせ買いを提案するレコメンドも行っています。
 当社の自社ECサイトでお客さまが最も多く選ばれる決済手段は、クレジットカードです。2番目は代引き、3番目が後払い決済です。後払い決済の利用比率は全体の約2割となっています。当社を利用するボリューム顧客層には、後払い決済を利用する人が多いのです。


■与信のタイムラグが短縮

 ─後払い決済では、どのような課題を抱えていましたか。

(続きは、「日本ネット経済新聞」4月11日号で)

【記者雑感】
 後払い決済は10代などのクレジットカードを持たない世代向けの決済サービスだと認識していた。今回の取材で意外にも、母親世代の利用率が高いことが分かった。ANAPは楽天ペイの利用率も高いという。多様な決済手段の導入が、顧客の購買機会を創出しているのだと感じた。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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