【コーナン商事 執行役員販売促進部長 山本健太朗氏、EC営業部長 川口知春氏】〈楽天ポイントでO2O〉/新規顧客獲得、客単価向上に期待

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 ホームセンター事業を展開するコーナン商事は4月1日、運営する全357店舗でポイントサービス「楽天ポイントカード」の提供を始めた。店舗における購入者に対し、「楽天スーパーポイント」を付与している。「楽天市場」をはじめとしたサービスの利用者を店舗に送客することで、新規顧客の獲得を図る。高単価のリフォーム工事などもポイント付与の対象とし、O2O(オンライン・トゥ・オフライン)の効果として客単価の向上も期待している。コーナン商事の執行役員販売促進部長・山本健太朗氏とEC営業部長の川口知春氏にO2O戦略や事業展望について聞いた。

■店舗受取で送客

 ─「楽天ポイントカード」を導入した狙いは。
 山本 店舗への新規顧客の送客効果を最も期待している。特に20~30代へのアプローチが、これまで弱かったと認識している。楽天が展開するサービスの会員が比較的若いことが、提携の一つの決め手。3月27日に発表した電子マネー「コーナンPay」は、顧客の固定化を目的に、今後の少子化社会を見据えて活用する。この二軸を進めて成長を目指す。
 川口 「楽天市場」に出店している「コーナンeショップ」における主な顧客層は30~40代で、約60%は女性顧客。最も多いのは40代女性で、顧客全体の約40%を占めている。「楽天市場」全体の顧客層は、当社の楽天市場店よりも若年だと聞いている。「楽天市場」の会員に向けてアプローチすれば、若年層を店舗に送客することができると考えている。
 ─O2O施策はどういったものを検討しているのか。
 川口 「楽天市場」が提供している店舗受け取りサービスを活用したい。自転車は、店頭で部品の取り付けや防犯登録などができる。まずEC以上の付加価値を提供できる自転車を店舗受け取りサービスの対象にすることを検討している。
 EC・店舗間の相互送客の取り組みは、自社ECサイトを活用して17年から実施している。ECサイトで注文した商品を店舗で受け取っていただいた場合、送料を無料にしている。店舗受け取りサービスの利用率は増加傾向で、1日の注文のうち約10%が利用している。
 ホームセンターで扱う商品は大型商品が多いので、店頭で商品を見ながらECで注文してもらうこともできる。当社の店舗の広さは、小さい店で約990平方メートル、大きい店で約9900平方メートル。小規模店舗では約3万SKU、大規模店舗は約13万SKUの商品を取り扱っている。品ぞろえを充実させたECサイトを、小規模店舗の補完的な役割としても展開し、店舗受け取りや宅配から利便性を感じるものを選択してもらいたい。

(続きは、「日本ネット経済新聞」4月4日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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