【新春トップインタビュー】 〈一元管理システム「楽々通販2」を販売〉イメージデザイン 田中利和社長/今年のテーマは「ネットショップの黒字化」

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 一元管理システム「楽々通販2」を提供するイメージデザイン(本社京都府、田中利和社長、(電)075—353—6539)は1月11日、ネットショップが抱える課題の解決を目的としたオンラインサロン「ネットショップ黒字ラボ」を立ち上げる。ネットショップの運営支援で培った戦略ノウハウなどを公開して売り上げアップにつながるコンテンツを充実させていく計画だ。今年のテーマとして「ネットショップの黒字化」を掲げる田中社長に、オンラインサロンを始める背景やEC業界が抱える課題について聞いた。

 ─テーマにしている「EC事業の黒字化」の考えについて聞きたい。
 EC事業の黒字化を達成するために当社のような支援企業ができることは、仕組みとノウハウの提供の2つにあると考える。仕組みについては「楽々通販2」でできる限りの対応をしながら、一方でショップ構築や運営ノウハウの提供を行う。現在、EC業界は、事業停止に追い込まれる企業が出てくるなど厳しさが増している。勝ち残っていくためには、従来のやり方を意識的に変えていく必要がある。
 多くのEC事業者は、継続的な購入客を醸成する「顧客化」が大切だと知りながら、新規獲得だけにウエイトを置いている傾向にあると感じる時が多々ある。広告費、配送料、運営コストの値上げがある中で、従来のやり方だと明らかに顧客獲得コストと売り上げのバランスが合わないと感じている。
 ─なぜ、そういった課題が生じてしまうのか。
 日々の業務を処理することが目的となり、本来の業務である「顧客化」、つまり接客業務に時間をかける余裕がないように感じる。
 作業になってしまうとお客さまにそういう意識が伝わってしまう。すると、一度獲得したお客さまも離れていき、結果的に常にコスト高の新規顧客の獲得ばかりを追わなければならなくなり、事業継続が難しくなっていく。このままでは、新規店・中堅店舗が衰退していくのではないかと危惧している。
 地方のショップ店長と話していると、そもそもEC関連の情報が入ってこないとの声や正確に伝わってこないという話も聞く。担当者が主体的に学んで知識を得なければ、業界の活性化を削いでしまう要因になりかねない。
 ─オンラインサロンはどういった利用目的を想定しているのか。
 ネットショップ担当者が接客力を強化し、顧客化への意識を高めるだけでなく、数々の成功事例をもとに新たな販売方法にもチャレンジするきっかけにして欲しいと思っている。現状、ショップが取り組んでいることについてフォローアップしているというイメージだ。
 これからやろうとしていることは、「ネットショップに新たな知識を伝え、考えるきっかけを提供し、経験することにより、現場で実践していただくこと」。作業時間の問題で今までできなかった販売方法にチャレンジしてもらいたいと思っている。もちろん、お店の特性に併せて「楽々通販2」をどのように活用していくかも伝えていきたいと考えている。「楽々通販2」を使うことで、業務効率が改善するだけではなく、流通も加速させて売り上げアップ、利益アップに貢献していくことが次の目標だ。
 ─オンラインサロンはどのようなコンテンツを企画しているのか。
 明日から実践できるノウハウを提供するような内容にしたい。本社の一部をスタジオとして活用し、ゲストを招いて、ネット上で勉強会やミーティングができるような仕組みを考えている。
 モールがメインのネットショップでも、自社サイトで独自の強みを生かして、ファン作りにつなげるノウハウを提供していく。実例を交えてこうした提言もしていきたい。 
 これまで2000社以上を支援してきたノウハウの事例を提供することでネットショップの成長に貢献していきたい。将来的には、オフラインのリアルイベントの開催も検討している。
 ─19年の業界の見通しについては。
 モールに加え、集客できるコンテンツを自ら運営し、接客や顧客の囲い込みをしていかなければますます生き残れなくなるだろう。ただ、実践に移そうと思っても、学べるような場所がないことが課題だった。
 すぐ実践できる改善をモットーに身近な課題を解決できるような内容をEC事業者に伝えたいと考えている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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