【〈他県のEC企業も支援〉エリカ健康道場 北島昭博社長、イマリ 久保雅也社長】横のつながりが生まれるきっかけに

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 佐賀県でEC事業を行う、イマリの久保雅也社長と、エリカ健康道場の北島昭博社長は、EC事業者の勉強会のセミナー講師としてひっぱりだこだ。二人がこれまで講師として赴いた先は、沖縄や仙台、群馬など7県に及ぶ。地域のEC事業者に対して、EC企業の経営方法から、商品ページの作り方といった技術的なことまでを、幅広く指南している。イマリの久保社長は「ECで成功するためには横のつながりが必要だ。事業の規模によって出会うべき人は違うので、出会いのきっかけを作れればいいと思っている」と話している。久保社長と北島社長に、他県のEC企業の支援を行う目的について聞いた。

■「R—NATIONS」の成果契機に

 ─なぜ他県に出向いてまでEC勉強会の講師を務めているのですか。

 久保 ありがたいことに講演の依頼をいただくので、せっかくなので講師としてお話をさせていただいているというだけです。私はコンサルタントでもセミナー講師でもありませんから、講演料をもらってセミナーを行っているわけではありません。支援をしているという考えもあまりありません。
 セミナーを始めたきっかけは、佐賀県が11年に始めた、県内のEC事業者を支援する事業に、私と北島社長がアドバイザーとして参画したことでした。
 楽天では16年から、有力EC店舗が他の店舗のコンサルティングを行う「R—NATIONS(アールネイションズ)」という取り組みを行っていますが、イマリとエリカ健康道場が、最初に九州のリーダー店舗を務めました。その時、われわれがコンサルを行った24店舗中16店舗が、売り上げを倍増させることができました。
 こうした経緯から、他県からも講演を依頼されるようになり、いろいろな県に行くようになりました。これまで呼ばれたのは、沖縄、仙台、群馬、新潟など7県です。

 ─他県での講演では、どんな話をされるのですか。

 久保 基本的には、主催者である、県や大学、Eコマースの団体から依頼されたテーマで話をします。参加者のリストを見て、その時の参加者のECに対するモチベーションの高さを想定し、それに合わせて講演内容を作ることもあります。特にテーマについての依頼がなければ、その時の参加者から舞台上で話を聞きながら、掛け合いで講演することもあります。
 EC勉強会に来場する参加者の立場は、さまざまです。企業のEC事業部門の担当者で、プレイヤーとして参加しているという人もいますし、経営者も来場します。それぞれの立場が理解できるので、どんな層の来場者が多いのかを事前に確認して、話す内容を決めることも多いのです。

 北島 久保さんはとても話がうまくて引き出しが多いので、参加者の方はとても興味を持って聞いています。私の講演中に、久保さんが、参加者の立場から質問を投げて、それに応える形でセミナーをすることもあります。
 イマリでは帽子のEC店舗「帽子屋QEENHEAD(クイーンヘッド)」を運営しています。一方、私は酵素ドリンクを扱う「断食道場Shop」を運営しています。それぞれページの作り方や広告運用の仕方も違います。
 例えば、久保社長は「楽天市場」だけでなく、「Amazon」や「ヤフーショッピング」「ZOZOTOWN」などでの売り方の話もします。商品ページの作り方のような技術的な質問が上がった時には、「クイーンヘッド」のページをスライドに映して、商品ページ作成のトレンドの話など、専門的な話をすることもあります。
 一方、当社のエリカ健康道場は自社サイトでの定期購入が強いので、定期購入の方法やアフィリエイト広告の運用の仕方について話すこともあります。

 久保 経営者目線の話として、資金調達に関することを話すこともあります。担当者目線では、ECモール内で広告の運用をしたいけれど、上司から広告予算を制限されてしまったといった、悩みを聞くこともあります。

(続きは、「日本ネット経済新聞」8月23日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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