【ロクシタンジャポン 吉屋智章デジタルマーケティング本部本部長、川崎千絵EC・DMOマネージャー】2年後、EC化率20%目指す

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川崎千絵氏(写真左)と吉屋智章氏

川崎千絵氏(写真左)と吉屋智章氏

 外資系化粧品メーカー、ロクシタンジャポン(本社東京都、ニコラ・ガイガー社長)のEC事業が好調だ。18年3月期のEC売上高は2桁成長を記録(実数は非開示)。20年までにEC化率を20%に引き上げる計画も前倒しで達成する見通しだ。増収要因は継続的な商品拡充と、確かな分析が伴った販促企画。EC売上高の8割を自社サイトが計上するなど、利便性の提供にとどまらない顧客との関係構築も実現している。EC事業を手掛けるデジタルマーケティング本部の吉屋智章本部長と川崎千絵EC・DMOマネージャーに成長の要因や今後の事業展望を聞いた。

■全て数値で判断

 ─18年3月期のEC売上高が2桁増収となった要因は。

 川崎 大きな要因は二つです。一つは検索ワードのトレンドで市場ニーズを分析し、それに合わせた特集ページやギフト商材などの企画開発をしている点。もう一つは、リピート率の高いヘアケア・スキンケア商材の顧客増加に力を注いだ点です。従来のラインアップの主力であるハンドクリームなどの既存顧客に、昨今拡充しているヘアケア・スキンケアを購入していただく施策を実施しています。
 例えば、ECチームで企画した「グリーティングアソート」という商品があります。小分けにできるギフトボックスで、個別ラッピングしたボディケア商品のミニサイズ版が15個入っています。パーティーやお礼の品とかに少しずつ配れるようにしました。そういうものをEC独自で開発して幅広くギフト需要に対応しています。日本で独自に開発する商品もあり、海外拠点からも問い合わせがあったりします。
 2年前から販売している「アドベントカレンダー」も好評です。ヨーロッパではポピュラーな立体型カレンダーで、クリスマスまでの約25日間、それぞれにお菓子が入ったスペースがあり、それを一個ずつ子どもが開けていくものです。ロクシタンではミニアイテムやスキンケア製品を入れたアドベントカレンダーとして販売しています。例えば、女性から自分用へのご褒美として購入していただいています。
 昨年は8500円と1万4000円の2パターンを販売しました。10月に予約販売を開始して、11月初旬にはEC用に数千個用意した在庫は売り切れました。ECサイトでは日付を一日一日開くアニメーションを付けて製品を紹介したり、SNSでPRしたりしました。今年も販売する予定で、万単位での販売を見込んでいます。

 ─今まで購入実績がないユーザーへ、どのようにヘアケア・スキンケア商品を提案していますか。

 川崎 サンプリング企画を実施しました。購入者に対してカート画面でサンプルを選べるようにするのですが、最終的には全て数値で図ります。例えば、購入者を新規顧客でスキンケア以外を買われるユーザー・新規スキンケアユーザー・既存顧客でスキンケアを買われたことのないユーザー・既存のスキンケアユーザーという具合に四つのセグメントに分けます。

(続きは、「日本ネット経済新聞」7月19日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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