【〈東南アジアをターゲットに越境EC展開〉EC—PORT 鹿島功敬CEO】東南アジアで富裕層需要にリーチ

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 EC—PORT(本社マレーシア、鹿島功敬CEO)は、マレーシアを中心とした東南アジアをターゲットにした越境ECサイト「Japan Premium(ジャパンプレミアム)」を展開している。17年12月度には、越境ECサイトの月商が1億円を突破。18年になってからも、引き続き月商1億円以上を維持しているという。鹿島CEOは、「東南アジアの富裕層においては、先進国と同様、美容・健康関連の商材の需要が高まっており、高価格帯の商品でも売れる。そのため、当サイトは利益率が非常に伸びている」と話す。鹿島CEOに、現地での販売戦略について聞いた。

■美容・健康・子どもが人気

 ─日本企業をみると、東南アジアでのECに関心はあるものの、まだ十分に展開が進んでいないように思いますが、現地で大きく売り上げを立てられている要因は何ですか。

 現地で売れるものは何かということをずっと突き詰めてきた結果だと考えています。
 当社は2015年6月から現地でのマーケティングを開始し、同年末に日本製品に特化した東南アジア向け越境ECサイトを稼働しました。従来はマレーシアを主眼に置いてマーケティングを展開していましたが、現在ではシンガポールも大きな販路となっています。
 当社で実際に売れている商材は主に、美容・健康・子供用品の三つのカテゴリーです。例えば、化粧品や健康食品です。現地の消費者の間では、「日本製品のクオリティーは高い」という印象があるので、値段が高くても、信頼性が求められるカテゴリーの商品ならば売れる傾向にあります。
 化粧品についていうと、現地の女性はメーキャップの商品をネットではあまり買いません。日本と同様、スキンケア商品にこだわりを持つ顧客が多く、人気があります。現地の富裕層のステータスを表すものとしてよく挙げられるのが、「車・家・地肌」なのです。
 現地ECには、競争相手がたくさんいます。中国、韓国、タイなどのメーカーの安価な商材が多数流通しています。ただ、「日本製品のクオリティーが高い」という印象は現地の消費者の間でも強いですから、当社は高価格でも売れる、クオリティーの高い商品で勝負しています。
 当社の平均顧客単価は約5000円です。物流費などを考えると適正な価格で提供しています。これだけ高くても買う力がある富裕層をターゲットに据えています。


■ECサイトのコミュニティー化

 ─「ジャパンプレミアム」はモールと自社サイトの両方で展開していますが、どちらのチャネルの方が売れますか。

(続きは、「日本流通産業新聞」5月24日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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