ヘアケア化粧品を販売するヤマサキ(本社広島県、山崎宏忠社長)では、ECとカタログ通販の連携強化を図っている。18年2月期のEC売上高は、前期比5%増に当たる7億4000万円になると見込んでおり、そうなれば通販事業全体の売上高のうち、約30%をECが占めることになる。2月15日に発売するヘアケアシリーズの新ライン「LaSana Premior(ラサーナプレミオール)」は、EC売り上げ拡大を狙い、ECを主体として展開していく予定だ。ECとカタログ通販のすみ分けについて、「両社の間にいまだ垣根があるが、今後さらに通販を全体として捉えていく」と話す、ヤマサキの小山淳子常務取締役に、ECとカタログ通販の具体的な連携について聞いた。
■ECとカタログを一体として運営
ーーーECとカタログ通販のすみ分けについては、どのように行っていますか。
当社では、ECとカタログ通販を別々に運営するという考え方ではなくなってきています。これまでは、紙媒体からの電話注文による売り上げと、ECの売り上げを、分けてみてきましたが、その結果、通販事業部の担当者の間で壁ができてしまっていました。ただ、ECもカタログ通販も、通販事業という意味では同じです。ネットとカタログの垣根を越えて、通販部全体としての目標を追いかけようということになってきています。
当社の通販部では、カタログ通販とネット通販のそれぞれにリーダーがいました。それぞれの主張が異なり、衝突するようなことも以前はありました。ECとカタログ通販では、広告にかける予算の配分方法も違います。広告媒体も、リーチする年代も、依頼する広告代理店も異なっています。
カタログ制作については、半年以上先の紙面構成を考えて業務を進めます。ネットのページ制作は、トレンドを見て、スピーディーに展開する必要があります。作業工程やリードタイムが全く異なります。
顧客対応についても、コールセンターとメール対応では、業務内容が異なっており、全く違う業種であるかのようです。
ただ、お客さまの視点で見たときには、カタログ通販もECも同じなのです。注文の方法は異なっていても、裏にあるサービスはきちんとつながっていなければいけません。こうした裏のサービスの連携を強化していく方針を固めています。19年2月期には、通販事業全体として目標を決めて運営していこうという話になっています。18年2月期中は、そこに向けて準備を進めていっている段階です。
■SNSを中心にネットでマーケ
ーーーどのようにECと既存通販の連携を図っていくのですか。
(続きは、「日本ネット経済新聞」2月8日号で)
【ヤマサキ 小山淳子 常務取締役】ヘアケア化粧品 「LaSana」を展開/ネットとカタログの垣根を壊す
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