【ZERO TO ONE 河野映彦 社長】モール出店者・流通額が急拡大/中古カーパーツ専門に、流通額100億円へ

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 ZERO TO ONE(ゼロトゥワン、本社神奈川県、河野映彦社長)が運営する、中古カーパーツ専門モール「クルーバー」が急成長を遂げている。18年3月期末には、出店者数が前期末比倍増の500店舗に達する見通しだ。グループ会社のカー用品チェーン「アップガレージ」のEC事業をベースに、全国のカー用品店を取り込んでいっている。越境ECの流通額も、18年3月期は2億円に達する見通しとなっている。カー用品店がこぞって出店するクルーバーの仕組みと戦略を聞いた。


 ーーークルーバーの事業規模を教えて下さい。

 クルーバーの17年3月期の流通額は、前期比20%増の31億円でした。18年3月期も引き続き20%成長を続けられるとみており、流通額は約37億円に達する見通しです。
 18年3月期末には、出店者数も前期末と比較して倍増し、500店舗を達成できそうです。「クルーバーに出店すれば売れる」ということが全国のカー用品店に伝わったことが拡大の要因です。オークション形式で価格設定できる仕組み「クルオク」を7月に開始したことも出店者増を後押ししています。
 商品点数は約70万品目。3万~5万円ぐらいの中古ホイールが売れ筋になっています。

 ーーー流通量が伸びている最大の理由は。

 今までリーチできなかった若い世代の間で、ウェブ広告や、メディアとの提携を通じて、当モールの認知度が高まってきたことが最大の要因だと思います。都心にいると「若者の車離れ」を感じますが、地方には、車がないと生きていけないという方々がたくさんいます。そういう方々が自己表現の場として車を使っているのかなと思いますね。東京からの売り上げは2%もありません。
 また、中古品を買っても良いと思う人の数が増えています。ヤフオクのようなCtoC取引と違って、「ちゃんとした会社がネットで売っている」という点に僕たちの強みがあります。

 ーーーこれまで中古カーパーツのBtoCECが盛り上がらなかった理由は。

 中古カーパーツをネットで購入するには、自分の車にパーツが適合するか見極めなくてはいけませんが、その判断が難しかったのです。見極め方をちゃんと分かっている人でないと商品説明はできません。そういった点を丁寧に説明していることが買ってもらいやすさにつながっているのだと思います。
 僕らは、中古カーパーツの在庫管理システムを自社開発して、出店者に無料で提供しています。中古カー用品販売のグループ会社、アップガレージが自社のために開発したシステムを一部開放しているのです。
 在庫管理システム経由でクルーバーに商品情報が掲載される仕組みになっています。一般的なシステムと違って、車種との適合やキズ状態など、車特有の項目も細かく入力できるのが特徴です。それらの情報がモール上にも反映されることになります。
 中古カー用品店の中には、これまで在庫管理システムを使っていなかったというところも多いのです。2年ほど前からシステム提供を始めたのですが、このことも出店者増につながっています。
 一度ネットに出品して、売れなかったらアップガレージが買い取るというサービスも行っています。普通のモールではできないことを、アップガレージのグループ企業である僕らならできる。しかも、アップガレージは全国に店舗を持っているため、買い取りに手間がかかりません。

(続きは、「日本ネット経済新聞」11月2日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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