【SKIYAKI 宮瀬卓也 社長】10月、東証マザーズに上場/100以上のファンサイトでEC展開

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宮瀬 卓也 社長

宮瀬 卓也 社長

 アーティストのファンクラブ運営やグッズのネット販売を手掛けるSKIYAKI(スキヤキ、本社東京都、宮瀬卓也社長)は9月21日、東証マザーズへの株式上場が承認されたと発表した。調達した資金を自社サービスの関連企業に出資し、連携を強化するのが狙い。上場日は10月26日を予定している。100以上のファンサイトにおいてEC支援を実施。17年1月期のEC事業による売上高は約6億円だった。越境ECの本格化と開設サイト数の拡大により、18年1月期のEC事業売上高は約9億円を見込んでいる。宮瀬社長に今後の成長戦略や越境ECにおける展望について聞いた。

■システム開発に注力

 ーーー東証マザーズに上場する狙いは。

 当社の事業と親和性の高い企業や、シナジー効果が見込める企業との資本提携や出資のための資金調達を主な狙いとしています。具体的にはコンサートやイベントを手掛ける企業、漫画・アニメなどに関するウエブサービスを提供する企業を想定しています。
 アジアでは日本のアニメの人気が高まっています。今後はアニメを切り口とした越境ECの展開も計画しています。自社で開発するシステムの追加機能、新サービスなどの開発やエンジニアの採用強化にもつなげていきたいと考えています。

 ーーー自社で開発しているシステムとは。

 14年にファンクラブサイトやECサイト、チケット販売サイトを一括して作成・運営できるシステム「SKIYAKI EXTRA(スキヤキエクストラ)」を開発しました。これまで別々に運営していた三つの事業をワンストップで行えるのが当社のシステムの強みだと考えています。電子チケットの発券システムやグッズ作成ツールも自社で開発し、クライアントに提供しています。

 ーーーシステム開発を手掛けたきっかけは。

 ツアーグッズを販売したいというアーティスト側からのニーズがきっかけでした。開発後はゴールデンボンバーなど、人気アーティストのグッズECサイトを展開しました。現在はグッズを販売するごとに、販売手数料をいただくという形で各プロダクションと契約しています。

■システムで優良顧客を抽出

 ーーー同システムはEC事業の売り上げ拡大につながっていますか。

 自社システムにより効率的にサイトを開設できています。ファンサイトの開設を支援しながら、既存のファンサイトでのEC展開も推進できていることが、売り上げ拡大につながっていると考えています。当社の事業はファンクラブサイトの運営支援から始まっており、ECを展開していないアーティストも依然としてたくさんあります。
 ここ1年で100以上のファンサイトを立ち上げました。現在、300以上のファンサイトを運営しています。そのうち100以上のサイトでECを展開しています。
 最近ではアニメのファンサイトも多くなってきました。「2・5次元ミュージカル」と呼ばれる、アニメをミュージカル化した舞台が人気を集めており、グッズ販売も好調です。
 また、当社のシステムでファンの行動履歴や購買履歴をスコアリングしています。グッズ購買意欲が高いファンが誰かを特定できていることも、売り上げ拡大に貢献しているといえます。
 グッズ販売の市場規模についてのレポートなどはありませんが、当社の概算では700億~800億円、もしくはそれ以上だと考えています。いまだにECを展開していない既存サイトもあるので、今後も需要があれば随時展開したいと考えています。

■グッズの海外生産目指す

 ーーー「アリペイ」「銀聯(ぎんれん)カード」「ペイパル」などECサイトでの決済方法追加の経緯は。

(続きは、「日本ネット経済新聞」9月28日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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