【フューチャーラボ 有田賢 代表取締役社長】映像で訴求力の強い商品開発と見せ方を

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 ポーラ・オルビスホールディングス(HD)の子会社で化粧品通販のフューチャーラボ(本社東京都)は現在、QVCなどテレビ通販での販売構成比が多くを占める。映像向きの商品開発と、映像による見せ方に強みを持っており、今年からはネットでの動画活用も活発化している。有田賢社長に、商品開発、映像での見せ方、ネットの動画活用について聞いた。


<テレビ通販ならではの紹介方法>

 ーーテレビ通販で注目を集めるようになったきっかけは。

 当社は女性起業家が創業し、03年に設立した企業です。当時、自分の欲しい化粧品が日本で見つからなかった創業者が、海外で面白い化粧品を見つけては日本のOEMメーカーと相談して新しい商品を次々と作り出していました。それがテレビ通販からも注目され、急成長を遂げました。06年にポーラ・オルビスHDのグループに入り、「未来のキレイを手に入れる」を企業理念に掲げました。


 ーー企業理念を実現するために心掛けていることは。

 行動規範となる4つのワードがあります。一つは「サプライズ」。初めて見た、想像以上に手応えがあるなどの驚きを提供しながら、肌も心も豊かになってもらうことを目指しています。二つ目は「アドバンス」。最先端のものをいち早く導入することも使命だと思っています。三つ目が「ディファレンス」です。オリジナリティーの高い商品の開発を目指しています。最後が「エビデンス」です。品質のための客観的な裏付けはもちろん、実感を重視した「攻めのエビデンス」を大事にしています。主力化粧品「デルマQ2.マイルドピーリングゲルWN(以下、マイルドピーリングゲル)」は、まさにこの行動規範を体現しています。


 ーー「マイルドピーリングゲル」の特徴やテレビでの見せ方について教えてください。

 肌の上でくるくるとなじませると、ゲルが古い角質を巻き込んで消しゴムのカスのようにぽろぽろと取れる商品です。「ゲルが固まっているだけでは」という問い合わせがよく寄せられますが、皮膚に反応して角質が取れていることを示すため、テレビ通販ではアクリル板の上でくるくるしても、カス状にならないという見せ方をしています。目に見える形で効果と実感を伝えることができるのがテレビ通販の特徴でもあり、一方で、手に取って試すことができないテレビ通販ならではの手法でもあります。QVCのお買い得イベント「TSV」でも、「マイルドピーリングゲル」を心待ちにしているお客さまがたくさんいます。


 ーーピーリングゲルと称した類似品が多いように思いますが。

 テレビ通販市場でも「マイルドピーリングゲル」より安い類似品が見られるようになりました。ピーリングの技術自体は今の時代にそれほど難しいことではありませんが、ピーリングだけのゲルでは使用後に肌がキシキシします。「マイルドピーリングゲル」は80%以上が美容成分で、使用後の肌に潤いを感じられるような設計にしているため、そこに魅力を感じ、価格で他社に流れたお客さまも「マイルドピーリングゲル」に戻ってきてくれる動きがあります。


(続きは、「日本ネット経済新聞」8月4日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ