「23区」「UNFILO」などのファッションブランドを展開するオンワードホールディングスの25年3―8月期(中間期)におけるEC売上高は前年同期比16.1%増の273億8800万円だった。気候変動に対応したプロモーションと商品展開に加えて、24年8月に子会社化したウィゴーの成長が貢献したという。EC事業の25年の振り返りや注力する施策について、自社ECサイト「オンワード・クローゼット」の運営・管理を手がけるオンワードデジタルラボの山下哲社長に聞いた。
■シナジー”作りにいく”
─25年の振り返りを。
上期のEC売上高は増収となった。アパレル業界全体が直面している気候変動の影響については、従来のMDモデルは通用しなくなったという前提でプロモーションや商品展開を進めてきた。”季節軸”ではなく”気温・気象軸”でMDを捉え、ECサイトや実店舗でそれぞれ落とし込み、全社で取り組んできた。
その結果として多くのお客さまから共感を獲得し、純第2四半期(25年6―8月)のプロモーションコンテンツの訪問者は計画比112%と反響があった。商品やサービスにより「なぜオンワードで買うか」の理由を作るという部分でも一定の成果が出たと思う。ブランドごとの課題を見つけられたのも良い点だった。
自社ECサイト「オンワード・クローゼット」に他社が参加するオープン化では、オンワードグループで取り扱いの少ない雑貨やスニーカーなどが増えて、商品の幅が広がっている。今年は特に雑貨が大きく伸び、お客さまに”あと1点”追加で購入してもらう提案ができている。
─ウィゴーとの取り組みはどのような状況か。
ウィゴーとオンワードは価格帯もターゲットも違うところが多く、現在は会員組織も別だ。これからさまざまな施策で実証し、将来的に会員を統合するかどうか検討する必要があると思う。オンワードとしては、ウィゴーとはあえてシナジーを”作りにいく”ことを意識している。
まず、ウィゴーはまだ伸びしろがある状態なので、
(続きは、「日本ネット経済新聞」11月27日号で)
【オンワードデジタルラボ 山下哲社長】 <中間期EC売上16.1%増> /”気象軸”MDやブランド横断クロスユースを促進(2025年11月27日号)
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